コロナ禍をはじめとする外部環境の変化に対応するために、多くの企業がテレワークをはじめとした働き方改革を加速させている。そうした中で改めて注目されているのがタレントマネジメントだ。「ピープルアナリティクス・カンファレンス2021」(2021年11月25日にオンライン開催)に、カオナビの佐藤寛之氏が登壇。企業事例を交えて、これからの時代に必要不可欠となる「タレントマネジメント」を成功に導く秘訣を披露した。(取材・文=岩元 直久)

タレントマネジメントがVUCA時代の課題を解決

 VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代になり、環境変化の速さや不確実性が大きく加速した。このような環境の中で企業が成長していくためには経営戦略や事業モデルを変革することが不可欠だ。佐藤氏は「多くの企業において、経営層が人事部に対して、新たな経営戦略や事業モデルを実践するための人材登用と人材育成を求めるようになった」と指摘する。このためには、人事部が従業員一人ひとりの個性や才能を把握することが求められる。これなしに、最適な人材配置は実現できない。

 経営環境に加えて、若い世代を中心に従業員の価値観が大きく変化していることも様々な課題を引き起こしてる。佐藤氏は「インターネットの利用が当たり前の時代に育った従業員はSNS(交流サイト)の特徴、すなわち『オープン』であること、『カスタマイズ』できること、『リアルタイム』で提供されること――に大きな価値を見いだしている」と説明する。今までのようなクローズドでリアルタイム性のないマス的な人材マネジメントを変えていかないと、これからの時代には若い世代に選ばれなくなってくるという。

 これら2つの課題を解決して、競争優位性を高める手段として大きな注目を集めているのがタレントマネジメントだ。佐藤氏は、タレントマネジメントを「組織に眠っている人材情報をオープンにし、人事だけではなく経営や現場と共有する。そして組織の潜在能力を最大化すること」だと説明する。

 同社が提供しているクラウド型タレントマネジメントシステム「カオナビ」は、アイコン化した顔写真をキーにして、これまで他の情報システムや表計算ソフト、紙などに散在していた人材情報を一元的に管理できることが大きな特徴。顧客企業の人事制度に合わせて、人材データベースを柔軟にカスタマイズすることも可能だ。誰でも簡単に利用できるようにするために、直観的で分かりやすいユーザー・インターフェースを備えている。部署や役職などに基づいたアクセス権限も設定できる。

佐藤 寛之 氏
佐藤 寛之 氏
カオナビ 取締役副社長 COO(写真提供:カオナビ)