「デザイン思考」の能力を定量化するテストを開発

 吉村氏によると、DXに求められるデザイン思考を分析すると3つの要素が考えられるという。まずシーズとして、デジタルに関する知識やスキルである「ハードスキル」が不可欠だ。残る2つの要素として、ユーザーのニーズに共感して新しい課題を発見する能力である「課題発見力」、デジタル技術などのシーズと組み合わせて新規性や実現可能性が高い解決策を検討する能力である「課題解決力」を掲げる。課題発見力と課題解決力を合わせて、デザイン思考力になるとの指摘だ。

 そうした中で、デザイン思考力をどのように評価し、どうやってDX人材を可視化していくのかについての解決策をVISITS Technologiesは「デザイン思考力テスト」として提供している。オンライン形式のテストで、課題発見力と課題解決力を併せ持つ優秀な人材を見つけ出せるという。「目の前のビジネスでパフォーマンスを発揮する人は従来の人事の枠組みでも見つけることができるが、課題発見力と課題解決力を持っている人を見つけることは難しかった。そこに客観的な評価基準を提示するのがデザイン思考力テストだ」(吉村氏)

 デザイン思考力テストでは、「創造力のスコア」と「評価力のスコア」を算出する。創造力のスコアとは、他の人から共感度を得られるアイデアを出せる力を測定するもので、200点満点の評点になる。一方の評価力のスコアは、他者のアイデアを評価する力を数値化して200点満点を与える。合計400点満点でデザイン思考力スコアを測定する。

 このテストのポイントは、スコアを標準化しているところだ。他のテスト回と今回のテストで同じ300点を獲得した人は、同程度のデザイン思考力があると判定されることになる。すでに13万人の受験実績があるので「あなたが次に受験すると、13万人の中でデザイン思考力のスコアの立ち位置が分かる」(吉村氏)。企業の新規事業開発部隊のポテンシャルを母数と比較することもできるし、経年の変化も追いかけられる。デザイン思考力が標準化されて数値化できることのメリットは大きい。吉村氏は次のように語って、講演を締めくくった。

「デザイン思考力はDX人材の能力を測る新しい物差しになり、課題発見力と課題解決力を可視化できる。無料のトライアルも実施しているので、実際にデザイン思考力テストを試してほしい」