(写真:123RF)

 人事部にインテリジェンスがないかのような題名を付けてしまったが、人事部に限らず、日本企業はインテリジェンスについて再考しよう、というのが本記事の主旨である。

 まず、インテリジェンスの定義を確認する。“intelligence”の訳語は何かと聞かれると「知能」と答えたくなる。例えばIQ(知能指数)やAI(人工知能)の“ I ”である。ただし米CIA(中央情報局)の“ I ”もそうであり、こちらは情報と訳されているがインフォメーションとは違うのだろうか。

インテリジェンスとは何か

 Merriam-Websterのオンライン版でintelligenceを引いてみたところ次の定義が出てきた。

“the ability to learn or understand or to deal with new or trying situations”
“the ability to apply knowledge to manipulate one's environment or to think abstractly as measured by objective criteria (such as tests)”

 前者は「学び、理解する能力」あるいは「経験がない困難な状況に対処する能力」、後者は「知識を適用し何らかの環境を操作する能力」、「(何らかの基準で測定したかのように)抽象的に考える能力」になる。Websterによるとintelligenceにはinformationの意味もあり、次の記載がある。

“information concerning an enemy or possible enemy or an area also : an agency engaged in obtaining such information”

 ずばり、敵(国)、仮想敵国の情報であり、敵の情報を集める組織を指す。これがCIAのインテリジェンスである。

インテリジェンスで「経験がない困難な状況」を乗り越える

 日本でインテリジェンスあるいは知能と言うとき、あるいはIQやAIという言葉を聞いたとき、「学び、理解する」、「知識を適用し何らかの環境を操作する」、「抽象的に考える」を思い浮かべるのではないか。

 これに対し、「経験がない困難な状況に対処する能力」や「敵の情報」は特別な仕事をしている人でないと想起しないかもしれない。だが、今まさにこうした意味のインテリジェンスが日本企業や所属員に求められている。