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 年末の記事ではその年を振り返ることが多いが2020年については残念ながらCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のことばかり思い出されてしまう。あえて前向きに考えれば「COVID-19がイノベーションを加速させた」となるのかもしれないが「リモートワークが進み、日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が動き出した」とする見方については違うと言うしかない。

 本連載ではいわゆるDXを「社内外の情報を使いこなして事業を変革(トランスフォーメーション)すること」と定義しており、事務所内でこなしていた業務を事務所の外でもやれるようにしたことを「変革」とは呼べない。

 それでもCOVID-19を巡る諸状況から「情報責任」について考えることはできる。情報責任は社会生態学者のピーター・ドラッカーの用語で「どのような情報がいつ必要か、どのような形で誰から得るのか、自分はどのような情報を出さなければならないか、を考えること」である。ドラッカーは『ネクスト・ソサエティ』(上田惇生訳、ダイヤモンド社)の中で「今日のCEOにもっとも必要とされるものが情報責任である」と指摘したが、CEOに限った話ではない。

 「どのような情報がいつ必要か」を正しく決められる力とはどのようなもので、それをどう身に着けたらよいのか。人事部門はそれにどう貢献できるだろうか。