(写真:123RF)

 人事部門が音頭を取ってタレントマネジメントシステムを入れたものの、うまく活用できていない。原因として、システムを入れる作業に時間をとられ、タレントマネジメントの目的や個々の社員にとっての価値をうまく伝えられていなかったことが挙げられる。

 人事部門とタレントマネジメントシステムに限った話ではない。本欄の読者から次の質問をいただいた。今回はそれにお答えしたい。

[読者から]

 「DXは単なるIT化ではなく、業務全体を抜本的に見直すこと。その方法としてITやデータを活用し、効率的な実現を図る」こう理解しています。しかしITの専門家やITベンダー、IT企業が登場してくると、いつの間にかITツールを主役にして語ることになってしまう。脇役が主役になって登場するので話が変な方に進み、結果としてできたものは期待とどうも違うということになります。いつの間にか「なぜこんなものを多額のコストをかけて入れたのか」と陰口を叩かれるようになる。その辺りのことをテーマにした回を設けていただくと共感する人が多いのではないでしょうか。

(医療・福祉、従業員数99人以下)

 「脇役が主役になって登場する」、これは手段ないし方法が目的になる、と言い換えられる。「業務全体を抜本的に見直すこと」が主役で「ITやデータを活用」は脇役なのに逆転が起きてしまう。だが「業務全体を抜本的に見直すこと」は果たして主役なのだろうか。

 ビジネスコンサルティングを手掛けるインターブリッジグループ(ibg)のコンサルタント、大西隆仁氏はDXに関する相談を受けると必ず目的を問うている。「ITやデータを活用」することを挙げる人もいれば「業務全体を抜本的に見直す」という人もいる。

 後者について「なぜ抜本的な見直しが必要なのでしょう」と重ねて聞く。「社長の要求で」と答える人もいれば、「社員が減っていく中、現状の業務を維持するため思い切った効率化が必要」という回答もある。曖昧あるいは抽象的という点では五十歩百歩であり、こうした状態のままIT関連の企業に声をかけると「いつの間にかITツールを主役にして語ることになってしまう」。