変えていくなら「人事特区」が必要だろう。それには何らかのプロジェクトがいい。新製品開発でも業務改革でもAI(人工知能)利用でも何でもよいが、人事特区の実証と人材育成を兼ねて、プロジェクトらしいプロジェクトを実践してはどうか。

 プロジェクトらしいプロジェクトでは、その目的と必要な人材像をはっきりさせ、プロジェクトチャーターに明記する。チャーターはプロジェクトの趣旨を簡潔にまとめた文書で経営者や担当役員などプロジェクトのオーナーとプロジェクトマネジャーの双方が署名する。プロジェクトチャーターに明記したプロジェクトの目的を達成できる人材を社内外から集め、プロジェクトの開始当初には全員のレベルセッティングをきちんとする。

 「企業が今、一番欲しい人材」については新たに雇用するのではなくメンバーとしてプロジェクトの期間だけ参加してもらう。自社の今後を担う中堅や若手をプロジェクトに入れ、「一番欲しい人材」の仕事ぶりを学ばせる。

 「AI(人工知能)に強い人材に通常の倍の給与を払う」などと公言する経営者がいるが、従来型組織に「一番欲しい人材」をいきなり入れても以前からいる社員のやる気を下げるだけで終わる。そもそも真に「AIに強い人材」は報酬には釣られない。

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