20項目の中には経営者が判断すべき問題もある。

●導入したいけどお金がない
●組織の分裂を招く「テレワーク差別」(正社員だけテレワーク)
●IT部門に迫る「ひとり情シス化」リスク
●最大の阻害要因は経営者だ

 「ひとり情シス」については聞いたことがない方が多いと思う。「企業の情報システム担当者が一人しかいない状態」をいう。もともとは中堅・中小企業について指摘されたことだが大企業においても「ある特定システムのことをよく分かっている人が一人しかいない」場合がある。同書は次のように警告している。

 「そんな状況の中で、IT部員が一人でも新型コロナウイルスに感染したらどうなるのか。重症になれば長期にわたって業務から離脱を余儀なくされる。その人が担当するシステムの面倒を見られる人は誰もいない。その状況でシステム障害が発生すればお手上げである」

 情報システム部門長ないし担当役員が対処すべき問題だが、単に人を増やせば済むわけでもなく経営として情報システムをどう扱うかという話になっていくため、経営者が取り組む問題に分類した。

会わずに若手をどう育てるか

 20項目は「緊急対処」のテレワークのチェックリストとして使えると思う。では「常態」になったテレワークについてはどうか。筆者は「会わずに若手をどう育てるか」が重大だと考える。

 「事務所から離れた自宅などにいる社員にどう働いてもらうか」という問題への対処としていわゆる「ジョブ型雇用」の導入が話題となっている。これについては本欄ですでに述べた。

「ジョブ型」の直輸入は失敗に終わる

 ジョブ型雇用は求めるジョブをこなせる人を見つけてきて配置する。欧米の場合、部長がいなくなったら課長を昇進させるのではなく、部長のジョブができる人を探す。外から連れて来ることも少なくない。乱暴に言うと社内の人をじっくり育てるつもりはない。

 そのやり方は日本で難しいから今まで通り社内で探すという考え方もある。そうなると、決めたジョブをさせつつ、場合によってはそのジョブ以外の別のジョブに移れる人を育てないといけない。しかもテレワークをしながらである。

 新人や若手についてはいきなりジョブ型に切り替えないだろうが、そうだとしてもテレワークをしながら育成していかないといけない。