フロアの部門配置についても、この部門とこの部門を隣にするとシナジーがあるのではという戦略のもとに配置しています。この1年間で社員の働き方がデータで確かめられるようになりました。以前はオフィスのレイアウトや人員構成を変えるには勘と経験に頼るしかありませんでしたが、今の議論には必ずデータが使えます。こうしたデータ分析もWork―X室内で取り組んでいます。一時期、外部の会社に委託していたこともありましたが、取得したデータを使う人が見て判断しないと施策に反映できません。最近は内部で分析する方向にシフトしています。

16階から28階まで各フロアを貫くように、オフィス中央部に階段を設置。非常階段やエレベーターを使わず気軽に行き来できる。(撮影:稲垣純也)
16階から28階まで各フロアを貫くように、オフィス中央部に階段を設置。非常階段やエレベーターを使わず気軽に行き来できる。(撮影:稲垣純也)

――現在、Work―Xはどのような体制で進めているのでしょうか。

太田:主務が5人、部内や経営企画・広報など他の部門の兼務が5人という体制です。Work―Xは全社の動きを見るためコーポレート部門にありますが、各事業部門から1人ずつ、合計で14人のアンバサダーという兼務者もいます。新オフィスに移行し、現場の気づきやアイデアが生まれ始めている時期に入ってきたので、アンバサダーが現場からの施策立案や好事例の共有もしてくれています。

強い個がサステナブルな組織をつくる

太田:例えば、会議室一つとっても、もっとこうしたら使いやすいのではないかとか、3種類のキャンプ(コミュニケーションスペース)は同じ数ありますが、このタイプが多い方がよいのではないかというアイデアも出てきています。ただしオフィスに出社できる人数が限定的なので、まだ社員の総意ということができません。オフィス改革と併せて、人事制度などの改革にも、人事総務部だけでなく経営企画部なども関わりながら重層的に施策を検討しているところです。

 今はこうした専任部署があって旗振り役を務めていますが、Work―Xそのものをごく自然な働き方として浸透させていきたいと考えています。この取り組みは目的化してはならない、あくまでも手段です。一人ひとりのオフィススペースがシンプルになったことで、フロアの部門配置を入れ替える作業も簡素になりました。会社の戦略に応じて機動的にレイアウト変更ができるのは大きなメリットです。Work―Xは多様な個が集まり、会社としてより強くなりサステナブルな組織になるためのツールだと考えています。