――オーナーの模擬体験ができるということですね。

宮田:そうです。自分の下す判定が他人の人生を左右するわけですから、申請書類を真剣に読みます。それを経験すると「こんな経験を持っている人がいたんだ」「同じような経験をしても自分とは感じ方がずいぶん違う」といったことが分かるようになる。たとえ本人が無口でもカルテでは饒舌に自分の経験や思考傾向、熱意を語ります。この威力はすごいです。立場を変えることが人の成長にはとても重要だと私はずっと思っています。

 さらに重要なのは更新制であることです。認定期間は3年間ですが、認定者として学習したり、会社の業務に貢献したりすると、ポイントが加算され、認定を更新できます。逆に言うと、勉強し続けないと認定が維持できない仕組みです。今期からはネットワーキング・コミュニティーという活動も加えました。認定者同士で知見を高めあったり、これから申請しようとする人たちに教えるワークショップを開いたりすることで、ポイントが加算されると同時に自身の知識定着化につながり、自然にスキルアップするというわけです。

グループに拡大、共通言語を作る

――SOMPOグループのIT人材育成も支援しているのですね。対象は各社のIT担当者ですか。

宮田:はい。2017年からSkill Frameworkを活用し各社のIT担当者のスキル可視化、キーポスト人材の特定について支援しています。ITという軸を通せるので、Skill Frameworkも少しアレンジして活用しています。認定制度も今後、各社で応用できると考えています。とにかくこの制度は大掛かりですから、まずは、グループ各社のキーポスト人材が申請書類を書いてみる取り組みを始めるのもよいかもしれません。その場合は、各領域の認定基準の説明や申請書類の書き方講座などをやって啓蒙する必要がありますね。

 こうした横展開を行うのは、社内外での共通言語が必要だからです。今やどんなビジネスもITなくしては回りません。特に、ビジネスアナリシスやプロジェクトマネジメントの「IT化構想」に関わる部分は共通言語を持っていたい。それを設計し、広めるのがグループのIT会社としての当社の責務であり、当社のプレゼンスを上げることにもつながると思います。

――宮田さんにとって、人を育てる仕事のやりがいは何ですか。

宮田:結構な重責を担っているとも思いますが、挑戦しているのが好きです。社会人になってから迷ったら大変な方を選択すると決めています。「これを乗り越えられた自分が楽しみだし、この組織がどう変わるかが楽しみ」という興味があります。

 人が変わるとはどういうことなのかにも興味がありますし、人に関わることが好きですね。この制度と施策に影響を受けて変わった人を見ると良かったなと思います。たとえ、もし私が会社を去ったり異動したりしても、この人事制度は残ります。この制度が社内のフロアで当たり前に語られている姿を想像するのが本当に楽しい。当たり前になる新しいモノづくり、コトづくりが好きだという観点と、人が好きという観点とが合わさって、今の仕事は本当に面白いです。

 スペシャリティ制度のロゴは新しくデザインしてもらいました。中央の赤い丸はSOMPOグループのシンボル。そこに皆が集まってくるイメージなんです。