――コンサルティング会社ではダイバーシティや働き方改革の推進が難しいと言われてきました。御社では、どのような工夫をしていますか。

岩澤:働き方改革をはじめ様々な変革を推進するには、お客様を巻き込むことが大切であると考えます。そのためプロジェクトをスタートする際には、我々の働き方や取り組みについて記載したリーフレットをお客様に配布し、理解と協力を促しています。お客様の変革スピードを加速させることが我々の使命であること、変革に挑戦し続けるために人材の確保と成長促進が重要な責務だということを説明し、ともに働き方を変えることはお客様にもメリットを感じていただけることだと伝え続けています。

――ここ数年は女性活躍推進にとどまらず、LGBT施策などにも取り組んでいます。

岩澤:多様な人たちが能力や適性を最大限に生かして働き続けることができる職場環境を整えています。LGBTに関しては、基礎知識の習得を目的とした動画配信やセミナー開催だけでなく、当事者やその上司の状況を自分事として捉えることを目的としたパネルディスカッションも実施しています。制度面でも、LGBTの社員向けに人事規程における「パートナー」の解釈を拡大しました。

 また、毎年多くの外国籍の社員を採用しています。ただ、我々にとって外国人採用はごく当たり前のことです。企業によっては、国ごとの壁が厚く人材の異動が少ないとも聞きますが、我々はグローバルでグループ一体経営を行っているため、社員が様々な国や地域に行って多様なプロジェクトを一緒に進めています。

最新テクノロジーで生産性と提供価値を上げる

――御社は早期からRPA(Robotic Process Automation)の取り組みも進めてきました。テクノロジーが可能にする働き方や組織改革に関する考え方を聞かせてください。

岩澤:デジタルテクノロジーなどを活用することで、時間や場所などの制約から解放された働き方が可能になり、生産性を上げることができます。またRPAやAIなどの最新テクノロジーによって、人間はより知的で付加価値の高い業務に関われるようになります。それこそが企業変革であり、社会が前進していく方法でもあります。これらのテクノロジーを効果的に活用し企業の生産性向上を支援するのが、我々の基本的なコンサルティングスタイルであり、当社の存在価値です。そのために、まず自分たちがそれらを駆使して生産性を上げていくことを検証し、お客様に提案していくサイクルを作りあげています。

 RPAツールを生かしたHR業務改革は、2017年のHRテクノロジー大賞「業務変革部門」で優秀賞を受賞しました。採用管理 DB からエントリーシート提出者の抽出、各種申請書データの HR システムへの登録といった日常的な人事業務を、RPA活用により自動化し業務工数削減および労働生産性向上を実現したものになります。

――AIの進化は人間の仕事を奪うととらえる風潮もあります。一方で人にしかできないこともあると思いますが、これについてどうお考えですか。

岩澤:私が日々実践しているのは、「AIに次に何をやらせたら、よりよい社会になるだろう」と想像し、それを見つけていくことです。これは人間にしかできないクリエーティブな作業ですし、AIがあるからこそ、これまで考えたこともなかった新しい仕事に目を向けられます。様々な可能性を感じますし、考えるだけでワクワクします。