――IT業界は働き方改革が進みにくいといわれる一方で、ITツールやスキルを生かし、リモートワークが進みやすい利点もあります。御社はITソリューション提供企業としての強みをどのように活用していますか。

吉田:おっしゃる通り弊社でもテレワークを推進しており、実際にお客様に提供しているDaaS(デスクトップアズアサービス)を活用しています。こちらは2011年から取り入れているので、すでに9年目になります。データはすべてサーバーにありシンクライアント端末を使うため、セキュリティーの問題が生じません。DaaSとリモートワークを組み合わせることで、働き方の多様性が広がりました。会議でも各種コミュニケーションツールを活用し、離れていても円滑にコミュニケーションをとっています。

 さらに弊社のシステム研究開発センターでは、VRデバイスを用いた遠隔コミュニケーションの新システムを開発しています。多拠点に分散した要員配置でも、仮想空間に集まって対面相当のコミュニケーションを実現するもので、障害対応のように迅速かつ正確なコミュニケーションが求められる場面での活用が期待されています。またシステム上での対応が記録され、あとから追体験も可能なため、効率的な知見の蓄積・共有にもつながります。

VRデバイスで見る画面のイメージ。指差しや頷きなどで自然なやり取りができる。

 このほかにも、社内で開発したツールを働き方改革の施策に生かしています。例えば働き方変革のアンケート調査では自由記述の項目があるのですが、ここに書かれたテキストデータの分析を自然言語解析ツールで行っています。6000件くらいのフリー記述を人間が読むと見落としてしまう場合もありますが、ツールで処理することで分野ごとに確認でき、課題を抽出しやすくなります。

――課題を効率よく「見える化」できるのは、ITソリューション企業である御社の強みですね。

吉田:アンケートによる自分たちの声がきちんとフィードバックされるという点で、社員のモチベーション向上にもつながります。こうしたツールも、実際にお客様とのPoC(概念実証)の中でも活用しているものです。自分たちで使うことで不自由な点に気づくことができ、改善につながります。自社の働き方改革にも使え、ビジネスにもプラスになる。まさに一石二鳥です。

――最後に、企業の持続的成長、SDGsのための組織改革や人材戦略についてのお考えを聞かせてください。

吉田:今やSDGsに取り組んでいない会社は、社会から尊敬されません。弊社でも広報IRにSDGs担当を置き、自社で実践しています。今後は社外に向けてアピールしていきたいと考えています。個人的な考えですが、弊社の社員はみな非常に誠実な人が多いのです。物事をごまかしたりせず、正しいことに懸命に取り組む傾向が強いと感じています。そうした正しさを持つ人たちが皆で力を合わせることが、会社の成長に資すると思いますし、誇れる会社になっていけるのではないかと期待しています。