中長期経営計画を視野に適材適所の人員配置

――最近は社員が自分でキャリアを作っていく「キャリア自律」を支援する企業が増えています。御社ではキャリア自律をどのように考えていますか。

長久保:当社は世の中に必要なものを生み出す会社であり、当社の製品への需要は今後も増え続けていきます。そのような観点からも、真の意味で安心して働ける環境だと言えます。しかし、受け身の姿勢ではなく、魅力的な市場に向けて個々がどのようなキャリアを築いていくかが大事です。こういったことを常に自問し続けられる機会を提供し、社員のキャリア自律をサポートすることが、会社にとって必要なことだと考えています。

 すべての社員が、会社の中でいかに楽しくやりがいを感じながら働き達成感を味わうか――。技を磨き、能力を向上して、周囲からのフィードバックを参考にして、さらにキャリアを伸ばそうという意識と行動を支援していきたいと考えます。

 社員が自分の役割やタレントを意識して自らをプロデュースし、自走できるようになれば理想です。そのうえでさらなる成長のために、時には仲間や上司、その道の専門家からフィードバックをもらうことも大切だと考えています。

――ダイバーシティ推進に関する施策をお聞かせください。

長久保:社員一人ひとりを適材適所に配置して最大限の力を引き出すために、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)への取り組みは欠かせないと考えています。国籍やジェンダー、年齢などによるバイアスを乗り越え、個々の能力を最大限に発揮できる環境・風土を醸成していくための取り組みを2019年4月から全社的に始めています。TELグループにおけるD&Iへの取り組みは始まったばかりですが、課題を一つひとつ解決することで実現を目指します。

試練を通じて未来に向けた成長を

――新型コロナウイルスの影響で、働き方改革も加速しています。御社の取り組みや現状の課題についてお聞かせください(※)。

長久保:当社でも在宅勤務を増やしています。インフラ整備をさらに強化し、心身ともに快活で、コミュニケーション良く働くことができる環境を整えていく必要性を痛感しています。最終的に“紙”でのやり取りが必要な業務もありますが、できるだけ電子化を進めていきます。

 また生産性を意識した働き方は、以前からTELグループで推進してきている取り組みでもあります。それが進めば、海外のメンバーとのより円滑なコミュニケーション、生産的な協業も進むでしょう。

 新型コロナウイルスによる今回の試練を通じて、当社の未来につながるものをつかみとり、これを働きがいや生産性向上につなげていきたいですね。落ち着いたら改めて社員の意見を吸い上げ、一人ひとりに合ったベストな働き方を追求していきたいと考えています。

――最初にお聞きした御社の強み(変化への対応力、顧客からの絶対的な信頼)につながりますね。

長久保:開発生産などリモートワークが難しい仕事もありますが、将来は今以上に、場所にとらわれない働き方が可能になるかもしれません。リモートワークがさらに進めば、空いた時間を自己学習やプライベートの時間に充てることにもつながり、ワークライフバランスにも寄与するでしょう。社員がキャリアを開発しつつ、自分の望む暮らし方ができれば、働き方という観点でのパラダイムシフトが起きると考えます。

 TELは経営ビジョンにおいて、本業で社会に貢献することをうたっています。今後も半導体製造装置とフラットパネルディスプレイ製造装置事業で高い価値を創造し、提供することで、5GやIoT、AIなどの普及を支え、より便利で豊かな社会の実現に貢献していきたいと考えています。

※本記事は、新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言発出(4月7日)以前のインタビューによるものです。