また当社ではベビーシッターサービスを金銭的に補助するなど制度的なサポートに加えて、社員の草の根的な活動であるワーキングペアレンツネットワークでお互いの悩みを共有したりしています。最近、幼いお子さんを持つ女性社員から「家に帰ってからも育児で忙しく、寝る時間がない」と言われました。夜中にお子さんが泣いたりして、自宅でも十分に休めていないんですね。「15分でもいいから、就業中に気兼ねなく充電できるスペースがほしい」と言われて、この7月から「Energize for Lifeルーム(仮)」という名称で、マッサージチェアやトレッドミルを完備した部屋を作る予定です。このように出産直後だけではなく、職場に復帰した後もずっとサポートし続ける環境が必要だと考えます。

――子育ては長い期間続きますから、そういう環境はありがたいですね。

綱場:そうですね。ほかにも例えば、コアタイムのないスーパーフレックス制度を導入していますし、テレワークも週に2回まですでに認められています。

 また2019年1月から病気休暇を20日から35日に増やしています。この中には不妊治療やお子さんの定期健診なども認められていますし、さらに5日間はご家族やペットの病気など、本人以外の理由でも「健康増進のためなら理由はなんでもOK」という休暇を作ったので、トータルで40日になりました。そうした自由度の高い働き方や健康を重視した制度の整備は、最終的には企業カルチャーに結びつくと信じています。

――LGBTや、外国人などの施策はいかがですか。

綱場:LGBTにも積極的に取り組んでいます。昨年度はその取り組みを評価する「PRIDE指標2018」で最高位のゴールドを受賞しました。社内には性別や障害の有無を問わず使用できる「誰でもトイレ」も設置しています。また経営層は率先して、異なる性的志向に対しての偏見をなくすためのVRによるワークショップを受けています。これらに加えて、社員が率先して草の根運動的にLGBT研修に取り組んでいます。

レインボープライドパレードへの参加の様子
誰でもトイレ

 またダイバーシティの重要性に戻りますが、国籍も含めて異なる文化的背景の人材を登用することはイノベーションの観点から非常に重要です。着任当時少なかった外国人リーダーも、私が着任してから少しずつ増やしています。2018年初めにロシア人の女性CFO(ファイナンスの責任者)、同年7月にはフランス人の女性人事本部長を任命し、今年6月からは、当社で一番大きな事業部の事業部長にオランダ人のリーダーが着任しました。

 国籍だけではなく、それ以外のバックグラウンドの多様性も重要です。当社のリードチーム(経営陣)には、海外で教育を受けた日本人も多いですし、MBA、弁護士、会計士、医師、薬剤師、PhDなどいろいろな分野の専門家がいます。また、女性の割合も30%を超えています。特にリードチームに関してはダイバーシティが進んできていますので、このトレンドを全社的に進めていきたいと思います。