贅を尽くした世界観を持ちつつサステナブル企業を目指す

――最近注目されているジョブ型雇用やオフィス縮小なども検討課題ですか。

三木:他社の施策を参考にするというより、自分たちがありたい形を模索しています。ジョブ型はあってもいいですが、それだけではない。あくまでも選択肢の一つ、「one of them」だと思います。オフィスの在り方も同様で、単純に「コロナで在宅勤務が増えたからオフィススペースを減らす」のではなく、多くのオプションを作るなかで、オフィスの場所やスペースを考えていくということです。

 2019年に銀座にサテライトオフィスを作って試験的に運用していますが、従業員の意見も聞きながら千葉、埼玉、横浜などにオフィスが必要かを検証していきます。オフィス自体も、半数が在宅勤務になるなら、スペースだけでなく固定のパソコンも不要になるかもしれません。

 可能性は無限に広がっているので、新しいことを採り入れつつ、時代に対応した形にしていきたいと思っています。世界に範となる働き方のワールドスタンダードと言える形を作り上げれば、企業価値を高める事業の施策にもつながるはずです。

 リシュモンは「選ばれる企業でありたい」という人事テーマも掲げています。われわれの企業、グループ、ブランドに入りたいと思ってもらえる企業であると同時に、今働いている人たちにも「ここで働き続けたい」と選んでもらわなければいけない。その両者から選ばれるためにどうあるべきかは、何かをジャッジするための指針になっています。従業員に選ばれるために給料や休日を増やすのではなく、あくまでも企業価値を高めることで、認められ選ばれる企業になるのが狙いです。

――企業価値を高めるため、ESGにも注力しています。

三木:サステナビリティはわが社が今年掲げたテーマの1つなので、そのために何をしなければいけないかを従業員にも強く意識してもらっています。

 われわれはラグジュアリーブランドを展開しているので、贅を尽くした豪華な店舗でお客様を迎え、商品のパッケージや包装にもこだわることでブランドの世界観を表現しています。エコとは対極の部分もありますが、例えば100万円の商品をペラペラのビニール袋に入れてお渡しするわけにはいきません。このように店舗や商品包装を簡素にせず豪華なマテリアルを使う一方で、サステナブル企業として環境にも配慮するには、相当の努力が必要になります。

 当グループでは、「サステナビリティ・リポート2020」の中で、「2025年までに100%再生可能な電力を使用、扱うゴールドを完全追跡可能にする」などの目標を開示しました。ブランドイメージを大切にしながら、持続可能な社会に向け企業価値を上げる努力を続けていこうと考えています。