一方で、企業の第一線で経営者を巻き込みながら、人事と組織を変革している当事者に取材した書籍を紹介したい。この書籍は、当メディアの連載企画(記事はこちら)に加筆して刊行した。

『人材マネジメント革命 会社を変える“カリスマ人事”たち』
『人材マネジメント革命 会社を変える“カリスマ人事”たち』
大塚 葉 著 / 日経BP / 1,980円(税込) / 224ページ / 2019年12月刊

〈先進企業が取り組む人材マネジメントの勘所とは〉
 激しい環境変化にさらされている日本企業にとって、持続的成長のカギを握るのが人材マネジメントだ。経営視点で人事戦略を行うCHO(Chief Human Officer)、CHRO(Chief Human Resource Officer)などの最高人事責任者が注目を浴びている。本書では精力的に改革を進める12人の“カリスマ人事”が、具体的な施策と成果を本音で語る。先進企業に学ぶ、新時代の人材戦略のヒントを伝える。

現場リーダーが変わる、新しい専門人材が必要となる

 4月から施行された働き方改革改正法案によって、従業員の残業時間が減ったことが経団連の調査で明らかになっている(詳しくはこちら)。テレワーク推進ともあいまって、定時以降の職場に残る人は少なくなった。労働時間短縮を背景に、社員のコミュニケーション深化にどう取り組むか。人員構成比のいびつさも抱える現場では人間関係もより複雑になっている。そのドライバーとなるのが、現場マネジャーのリーダーシップだ。

『部下の強みを引き出す経験学習リーダーシップ』
『部下の強みを引き出す経験学習リーダーシップ』
松尾 睦 著 / ダイヤモンド社 / 2,200円(税込) / 272ページ / 2019年10月刊

〈多様な人材が活躍するチームをつくる「育て上手」〉
 人間の成長の7割が経験によって決まるといわれる。職場メンバーの経験による学習を促す経験学習モデルを活用したリーダーシップの実践を提言する。部下の強みを探り、成長ゴールで仕事を意味づける手法の重要性は、心理学・経営学・哲学の観点からも実証されている。日本企業では失敗だけでなく、成功をも振り返り、そこから強みを引き出すことがなかなかされていない。女性、シニア、外国人などあらゆる人材が協働していく組織を目指し、マネジャー自身が変わることが求められている。読者として学ぶことができ、勉強会や研修のテキストとしても活用できる一冊だ。