「パワハラがない職場は生産性が高い」

 荻原氏は経営者の立場から「時代に合わせた経営者のマインドのアップデートは必須」と述べる。「この観点に立てば、パワハラ対策は企業経営の必須事項。もう経営者はパワハラ対策について真剣に考えざるを得ない」

ピースマインド株式会社 代表取締役社長 荻原英人(おぎわら・ひでと)氏
国際基督教大学(ICU)教養学部国際関係学科卒
国際EAP協会認定 国際EAPコンサルタント(CEAP)、産業カウンセラー
大学在学中の1998年に、メンタルヘルスサービスのピースマインド創業。2018年より現職。日本・アジアにおけるEAP(従業員支援プログラム)サービスのパイオニアとして約1000社の国内外の企業をサポート。「はたらくをよくする(R)」事業を通じて、人と組織の成長を支援している。Forbes JAPANが選ぶ「日本のインパクト・アントレプレナー35」選出。著書『レジリエンス ビルディング――「変化に強い」人と組織のつくり方』他

 ひるがえって、「パワハラではないコミュニケーション」を考えてみると、「業務上の目標や必要性を明確にして共有したうえで、相手を一人の人間として尊重しながらコミュニケーションをとること」と表現できる。吉野氏は「合理性、納得性、どんな相手も一人の人間として尊重するというコミュニケーションを追求していけば、心理的安全性が高まり生産性が高くいきいきとした職場づくりにつながっていく」と語る。

 「労働環境の多様性が増すなか、職務上の立場を使えば相手は動いてくれるという思い込みが通用しない社会になってきた。だからこそ、経営者が本気で多様性、世代間ギャップなどを受容して自己認識をアップデートする必要がある。経営者が率先してパワハラが起こってしまうようなカルチャーを払拭してほしい。それは自社を時代に適応させていくことであり、自社の発展につながるはずだ」(荻原氏)