日本では新型コロナウイルスの感染が拡大中だ。2020年7月末現在、1日当たりの感染者数が1000人を超え、不安感が再び広がっている。感染防止のために、産業界では在宅ワークが逐次進められているのはご承知のとおりだ。

 そんな中で興味深い調査結果を発表したのが、旭化成ホームズ内の研究組織である「くらしノベーション研究所」だ。2020年6月5日、「在宅ワークにおけるくらしの現状について」と題した調査結果を公表した。調査期間は2020年4月3日から13日まで。一部の内容を紹介すると、「月1回以上在宅ワークをしている」と回答した人は約4割(昨年時点では約3割)。くらしノベーション研究所は「調査期間は非常事態宣言が発令された4月7日よりも前の期間にまたがっている。このことを踏まえて考えると、在宅ワークを行う傾向はより強まったと推測される」と添える。

 同研究所によれば、調査の結果見えてきたことは下記の通り(以下、旭化成ホームズのプレスリリースより引用。調査データなどの詳細は同プレスリリースを参照していただきたい)。

・在宅ワークで増えたのは「子供や家族とのコミュニケーション時間」「自分の自由な時間」「睡眠時間」

・在宅ワークによる生活時間の変化は、夕食時間が1時間近く早まる。一方で就寝時間に大きな差はなし

・在宅ワークを行う場所は、戸建てでは個室派5割強、賃貸および戸建てで子がいる女性はLD派7割強

・在宅ワークで行う行為は「PC」「電話」「手書き」が上位3位。次いで「資料を広げる」「WEB会議」
 →在宅ワークでも仕事内容により「個人作業」「(人と関わる)会議・電話」に分かれる

・在宅ワークに求めるのは「集中できる環境」「静かな環境」「机周りの広さ」。個室派よりもLD派で多い項目は「家族の気配が分かる」「見守りながら仕事ができる環境」

・在宅ワークの困りごとは「日常生活との切り替えがしにくい」。特に女性では7割にのぼる

 米国などでは一歩先んじてテレワークが進められていたものの、日本の産業界では国土の都合や文化的な特性から「リアルな空間で共にいること」へのこだわりが強かった。新型コロナウイルスの感染拡大という歓迎できぬ事象が、期せずしてテレワークの推進を後押しした格好だ。

 しかし、急速な在宅ワーク・シフトが、企業組織やビジネスパーソン個々人に思わぬ負担が増大しているのも事実。以前、本コラムでは在宅ワークの健康課題と企業が取るべき健康戦略を指摘するiCARE山田洋太代表取締役CEOに話を聞いた(同記事はこちら)。健康課題と同時に、働く場としての機能を求められるようになってきた住環境と従業員の間に何が起きているのかも把握する必要がありそうだ。