――それらのデメリットを軽減する手立てはありますか。

松本:インテリア面での工夫としては、例えばLDでは、パーティションやロールスクリーンを活用して空間を区切る、あるいは仕事道具の収納用具を用意するといった策が有効です。寝室でも同様ですが、それらに加えて机とベッドの距離を取るといった対策が考えられます。

 当社ではワークスペースを組み込んだ新しい住空間づくりの提案をしておりますが、例えばLDにおいて仕事に集中しつつも家族とつながっている、そういった住まい方を支援する住空間のデザインを提案しています(筆者注:下図を参照)。また、仕切りや収納用具を用意するといった物理的な対策も、シンプルではありますが有効です。

旭化成ホームズの住宅ブランド「ヘーベルハウス」で展開している、仕事場を組み込んだ住居デザインの例(出所:旭化成ホームズくらしノベーション研究所)

在宅ワークによる自然な生活の変化を追認すべき

――人の活動は空間の在り方と切り離して考えることはできません。雇用する側、つまり企業や人事部門は、在宅ワークの拡大に向けて、従業員に居住空間の改善という面でどのような支援ができるでしょうか。

高村:在宅ワークでもオフィスにいるのと同じように快適に働けるようにすること、それがポイントだと考えますと、大きく3つの施策が考えられます。1つ目は在宅ワーク環境の整備、2つ目は光熱費の支援、3つ目が柔軟な働き方の推進を支援する、というものです。

 1つ目については、例えばWEB会議などを快適に行えるツールの導入を支援することが挙げられます。WEB会議に必要なIT系のツールを用意することはもちろん、自宅でも安心してWEB会議に臨める空間づくりという観点で考えますと、パーティションやロールスクリーンなども支援する物品に入れてもよいかと思います。

 2つ目については、当社の住宅総合技術研究所が家庭における光熱費の変化を分析したところ、4月の電力は昨年比で14.2%増えました。平均気温の変化の影響を差し引いても約10%は増加しており、その増加分を金額に換算すると1064円となります。もちろん外出の自粛やお子さんの休校による影響もあり、そこは切り分けられませんが、在宅ワークの影響は間違いなくあると考えられます。そこで、中長期にわたる従業員の安定的な在宅ワークを支援するために、従業員の光熱費を支援するという施策は有効でしょう。