大手コンサルティング会社のアクセンチュア日本法人が、社内でのRPAの活用を進めている。2019年秋のパイロット導入を経て、2020年1月から本格展開を始めた。全社員1万5000人にRPAの開発・利用ライセンスを配布し、各現場への浸透を図っている。

 コンサルティング会社として顧客企業にRPAを提供する立場であることを考慮したとしても、全社員にRPAのライセンスを配る例は珍しい。すでにコンサルティングの現場や人事・経理など社内の各所でRPAが稼働し始めており、効率化や作業ミスの低減など、自動化のメリットを享受しつつあるという。

 代表例の1つが、システム開発・運用の現場で稼働している「RobotPMO」だ。現在70~80種類の機能からなるこのRobotPMOは、まさにPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)という名の通り、プロジェクト現場を幅広く支援している。締め切りが近づいてきたタスクの通知、会議で提出すべき資料の催促、プロジェクトの進捗状況のレポート作成、開発者の成果物のチェック作業といった、様々な業務を担っている。

Robot PMOの利用イメージの画像。ロボットが作業のリマインドなどをサポートしている(画像提供:アクセンチュア)

 RobotPMOが1つのプロジェクトにおいて実際に担っている業務量は、人間のコンサルタントでいうと3人分に匹敵するという。「もはやロボットなしの業務は考えられない」と断言するのは、同社の山根圭輔氏(テクノロジー コンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービス グループ日本統括 マネジング・ディレクター)だ。

 日本国内でもRPAの適用が増える中、アクセンチュアの取り組みは導入成功例の一つに過ぎないのかもしれない。ただ興味深いのは、同社がRPA活用の前提として据えたビジョン、「Human+ Worker(ヒューマン・プラス・ワーカー)」にある。

 このビジョンが面白いのは、AI(人工知能)やロボットといった先端テクノロジーを「人間を置き換える対立的な存在」と考えるのではなく、「人の能力を拡張するもの」と捉える考え方だ。それに基づき同社では、「ロボットをバディ(相棒)にして成長する」(山根氏)という新しい働き方を模索している。