優秀な人材こそが会社を強くする

 「日本ゼネラルフードを、まずは、給食会社の中でトップクラスの会社にしたい。同業他社との競争に勝ち抜き、従業員の処遇を改善したい。そのためには、1人でも多くの一流の社員を育成する必要があり、役員、幹部、リーダー全員を一流に育てなければならないのです」と一泉氏は熱く語る。

 「一流の社員になるために」研修は、本社のすべての社員を対象に、毎年、年度初めの9月から10月まで3回に分けて開催。2008年にスタートして以来、2017年まで10年間継続している。さらに2012年3月の「全店長研修会議」からは、全国の事業所の店長を対象に研修を実施し、2018年3月で7回目を数えた。

一泉知由氏

 「この『一流の社員になるために』は、当社の社員に求められる『具体的な人物像』を明記したものです。当社は徹底したOJTによって人材を育成する方針で、個々人の効果的な成長につなげるために、ことあるごとに、この『一流の社員になるために』に立ち返って指導しています。また、この研修は毎年繰り返し実施することで、理解の徹底を図るとともに、『一流の社員』になることへの経営トップの熱い思いを伝えています」と一泉氏は語る。

 「『一流の社員』に求められる最も大切な3点は、『気づく力』『判断する力』『目的を実現する力』です。その次に大切な『ピンチをチャンスに』については、多くの社員が『ピンチャン』と呼んで、問題対応能力のレベルアップに努めています。社員が、『一流の社員になるために』をバイブルとしている姿を見るのは、とてもうれしいですね」(一泉氏)。

 「『あなたがいるから日本ゼネラルフードが好き』」と言われる人材を育てたい」と強調する一泉氏は、顧客との接し方やトラブルへの対処法など、様々なエピソードや具体例を交えながら受講する社員たちに語りかける。2時間を超える一泉氏のエネルギッシュな講演を聴いた社員たちは、「経営トップ自らが、会社の方針や進むべき道、望まれる人材像を明確に語ってくれたことで、自分ももっと頑張ろうという気持ちになった」と口にする。

「日本ゼネラルフードの心(NGF WAY)」を伝える

 一泉氏が東京海上に勤務していた33年3カ月のうち、実に24年間担当していたのが、トヨタ自動車と同社の販売店だった。トヨタ自動車のあるべき方向性を示した「トヨタウェイ」はつとに有名だが、このようなものをいつの日か日本ゼネラルフードでも作りたい、と一泉氏は考えていた。「そのためには、この会社を少しでも良い会社にしていきたいと社内の改革に努力してきました」(一泉氏)。

 そして一泉氏が入社10年目を迎えた2017年10月に完成したのが、小冊子「日本ゼネラルフードの心(NGF WAY)」である。同年3月に作成開始し、7カ月間徹底して議論を重ね、言葉を選び、表紙イラストや本文の文字の大きさにもこだわった。同社の永続的な発展を目的として制作した冊子には、「使命」「理念」「社是」「基本方針」「存在意義」「一流の社員になるために」「企業文化」「経営としての約束」が記され、10年間にわたり一泉氏が社内で発信し続けてきたメッセージが凝縮されている。

日本ゼネラルフードの心(NGF WAY)
「日本ゼネラルフードの心(NGF WAY)」(A5判、50ページ)。2017年10月に発行した。社是や基本方針が、大きな文字で読みやすく記されている