「使命」という項目について、一泉氏はこう説明する。「この会社は何のためにあるのか。とても大切なことなのに、忙しさにかまけてつい忘れてしまいがちです。この問いかけに、すべての社員がすぐに『おいしい料理の提供を通じて人々を幸せにすること』と答えられるように、そして自分の仕事に誇りとやりがいを持ってほしいと思い、この項目を設けました」。

 ユニークなのは「給食業界での存在意義」というページだ。「弊社は業界での売上高は9位です。しかし業界の中での弊社の価値は『おいしい料理の提供に徹底してこだわる会社』であることです。そのために、会社の都合である『プロダクトアウト』ではなく、お客様のニーズに応える『マーケットイン』の考え方でお食事の提供をする、という内容を記載したのです」と一泉氏。

 マーケットインの考え方の具体例として、例えば同じ地域でも、提供する顧客によって食事のメニュー、食材、味付け、ボリュームを変えている、と一泉氏は説明する。「このようにお客様ごとのニーズに応え続けることで顧客満足度を高め、結果として契約の長期継続に結びついているのです」(一泉氏)。

 また20項目にわたる「日本ゼネラルフードが大切にする企業文化」として、「まじめで、コツコツ、正直者」に共感する社員を採用し、育成していること、『子どもを入社させたい会社』になることを明記した。日本ゼネラルフードの、極めて特徴的な社員へのメッセージである。

 さらに特筆すべきは、冊子の最後に「経営としての約束」と題して6ページが割かれていることだ。初めに「『すべての従業員の幸福』を何よりも大切にします」とあるのに続き、「『従業員の幸せ』→『お客様の幸せ(NGFを選んで良かった)』→『会社の成長』というサイクルを目指します」とある。また「短期的利益のために『理念』や『企業文化』を犠牲にしません」「私たちは、『良いニュースにはご苦労様』『悪いニュースには、ありがとう』と言います。『Bad News First(悪いことほど早く報告する)』」など、15項目が並ぶ。経営側の方針をここまで率直に、真摯に明文化した例は珍しい。「経営の究極の目標は、『従業員が生きいきと働ける優れた組織を作ること』であり、経営として全力で取り組む」と一泉氏は語る。

 2時間を超える「一流社員になるために」研修。毎回、一泉氏の熱いメッセージを受け取ったリーダーたちは、各部署で大きく羽ばたいていく。

 次回は、毎月開催される「一泉ゼミ」を紹介する。