まず自分の頭で考える習慣をつける

 「一泉ゼミ」がスタートした2008年から受講している、第1営業本部第1事業部長の松井章記さん。初めてゼミに出た時は情報量の多さに驚き、圧倒された。「それまでこんなに中身の濃い研修を受ける機会がなかったので、びっくりしました。最初は、講義についていくのが精一杯でした」。それでも熱意のこもった一泉氏の人柄に惹かれ、毎月受講するようになった。自分の担当企業の記事を解説してもらうと勉強になり、顧客のところに行った時に会話がはずむようになったと松井さんは語る。

第1営業本部第1事業部長の松井章記さん
第1営業本部第1事業部長の松井章記さん

 ゼミ受講後、参加者は感想文を書いて出すことになっている。「ゼミの中で一番印象に残った記事や気づいたことを書くのですが、副社長は私たちが出した感想文をすべて隅々まで読んでくださっているんです」と松井さん。「どこにそんな時間があるのかと思うほど、何事に対しても一生懸命。私たちにたくさんのことを伝えようとし、そしてご自身も勉強なさっているのには本当に頭が下がります」

 松井さんにとって一泉氏は、「目標にしている先生のような存在」だ。部下が相談に行った時も、決してすぐに答えを教えはしない。まず自分自身で考えさせるのが「一泉流」と松井さんは語る。「私にも部下がいるので分かりますが、こうだと決めてその通りにやらせるのは楽なのです。でも、それでは人は育ちません。常に自分の頭で考えることを教えてくれたのが、副社長でした」

顧客のために絶えず準備を怠らない

 開発戦略室課長の早瀬裕子さんは、一泉氏とともに多くの顧客を回りプレゼンテーションの経験を積んできたツワモノだ。「一泉氏は一言でいうとどんな方か」と尋ねると、「役員と課長ですから、大きな差はありますが、私にとって営業のコーチのような存在です」と答えた。「たくさんの知識や教養もお持ちのうえに、常に努力を怠らない方です。人を楽しませたり満足させたりするために、できる限りの準備をなさるのです」

開発戦略室課長の早瀬裕子さん
開発戦略室課長の早瀬裕子さん

 顧客のところに行く前は、念入りな準備を心がけるように一泉氏から叩き込まれたという早瀬さん。「自分に特別な才能がなくても、相手のことをひたすら思い、努力をして準備をすればお客さまから必ず信頼される、ということを身をもって教えていただきました」(早瀬さん)。副社長という立場にありながら、「一営業マン」として顧客のために奔走する姿は心から尊敬できます、と早瀬さんは語る。

 取材の最後に、松井さんから逆に質問された。「大塚さんは今日の一泉ゼミに参加されて、どんな感想を持たれましたか」と。

 筆者自身、これだけ充実した講義を受けたのは久々だった。ゼミ内で紹介された日経新聞や日経ビジネスの記事は、どれも既に読んでいたが、一泉氏の解説によって新しい気づきもあり、視野が広がったと感じた。「一泉さんのような方から直接こうした研修を受けられる皆さんは、幸せですね」と感想を述べると、松井さんはほほ笑んでこう答えた。「大塚さんのような外部の方にそう言っていただけるのは、本当にうれしいです。一泉のような上司を持てた私は、本当にラッキーだと思います」

 「一泉ゼミ」を通じて、一泉イズムは数多くの社員たちの間に確実に浸透しているのだ。