「週休3日・4日制」で働き方の多様性に応える

江原:2021年10月には、総合職と一般職の職系区分をなくす職系統合を予定しています。以前は職系で処遇を分けていましたが本来それはナンセンスな話で、職務に応じた評価と処遇にするべきです。

 全員が総合職、みずほの呼び方では「基幹職」になります。20~30代の場合は「みずほにおける専門性」の習得状況に応じて、年齢に関係なく処遇が上がっていきます。熱意を持ってしっかりと自分の実力を上げて成果を出している人には、どんどんチャンスを与えようということです。

 キャリア自律を目指し、社内外で通用する人材を育成するために、ジョブ公募、社内兼業、社外兼業・副業による挑戦の機会を拡充しました。目の前の仕事では体験できない世界に触れることで刺激を受け、学びを得てほしい、また今後のキャリアを考えるきっかけとしてほしいという趣旨です。

――2020年に働き方の多様化に合わせた「週休3日・4日制」を導入したことが話題を呼びました。

江原:新人事戦略で重視したことの一つに、ライフイベントを含めた「社員の人生」があります。企業は社員一人ひとりの人生観や価値観に合わせ、それぞれに応じた働き方の選択肢を用意する必要があります。週休3日・4日制もその一つです。給与は勤務日数に応じた支給となりますが、自分に合った働き方を選べるということで、12月に募集開始したところ相応に申請がありました。

 申請事由は様々で、20代は「自分磨きのための勉強時間を確保したい」、30~40代では「子育てに時間を割きたい」という社員が見られました。50代は「介護のため」、60代は本人や家族の健康の問題で週休3日・4日制を選ぶというわけです。

 画一的な制度では社員の様々な価値観には応じきれないことがはっきりしました。多様な働き方を企業側で用意し、社員が選択できるようにすること、そのうえで会社への貢献意欲を持ってもらい、会社はそこに報いていくことが必要なのです。

――2019年度はメディアへの露出を避け、まず社員への丁寧な説明を行いました。

江原:報道が先行し、外部から情報が入ることで社員が不信感を持つことは避けようと考え、最初の1年間は社内コミュニケーションの徹底に努めました。まずは経営戦略と人事制度について社員に直接説明するため、2020年1~3月で600回の社内説明会を行いました。人事担当者が手分けをして大手町の本社や支店を回り、私も実際に何度か話しました。結果的には、コロナによる自粛が始まる前、人事スタッフが社員に対面で話ができる最後のタイミングだったと思います。「年次年功をやめる」という話も若手世代は前向きに受け止めてくれ、この後実施した社内アンケートでは約8割が好意的な反応でした。

 従業員意識調査を年1回行っていますが、2017年の構造改革の発表以来、金融業界の将来性への不安もあいまって意識調査結果は年々悪化していました。しかし2020年6月以降、一転して好意的なものに変わったのです。経営改革と人事制度の説明をしっかり行ったことで、またコロナの影響もあり、金融の必要性や自分の仕事への誇りを社員が改めて感じ取ってくれたのだと思います。コロナ禍でも社員の健康、安全、衛生管理を徹底する施策を実施してきたので、その後の別の調査でも仕事のやりがいや誇りなどの数値、経営への評価も上がり良い結果が出ました。社員との対話は今後もオンラインなどで続けていきます。