日経BPは、2020年7月14・15日の両日に「CHO Summit 2020 Summer~人と組織の変革に挑む」(主催・日経BP 総合研究所、協力・Human Capital Online)を開催した。コロナ禍の今回は、オンラインでライブ映像を配信する形式のセミナーとなった。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて「ニューノーマル(新常態)」に向けた企業経営が必須となった現在、人材マネジメントではどのような戦略が求められるか――。人材マネジメントの先進企業のトップや最高人事責任者(CHO/CHRO)、有識者が次世代の人材戦略や具体的な取り組みを披露した。その中から、ライフネット生命保険と資生堂の2社の人事リーダーが登壇したパネルディスカッション「ESG経営、SDGsにおけるCHOの役割」を振り返る。モデレーターは、日経BP総合研究所のコンサルティング局長で日経ESG発行人を務める酒井耕一が務めた。

 企業の持続的成長のためには、経営戦略と連動した人材戦略が必須の時代となった。とりわけ、コロナ禍にある現在は、CHOの担う役割の重要性が飛躍的に高まっている。本セッションでは、経営視点の人材マネジメントを進めることで企業価値や顧客満足度を高めることに成功している2社が、ESGやSDGsといった新しい社会概念に向けたCHOの役割、そして企業価値を拡大するための秘訣を議論した。

ESGの推進に向けて「より良い世界」を定義する

 資生堂は2019年に自社のミッションを「ビューティーイノベーションでより良い世界を」と再定義している。同社の常務を務める青木淳氏は「ESGにおいても、より良い世界を創ることは重要なテーマだが、具体的なイメージや活動を明確にしていない企業が少なくない」と指摘する。同社では「環境:Clean Environment」「社会:Respectful Society」「文化:Enriched Culture」という3つの柱ごとに「より良い世界」を定義。この実現に向けて、それぞれの重点領域におけるコミットメントの達成に取り組んでいるという。さらに、これらの活動を長期的に継続させるための組織の仕組みとして「ガバナンス:Trustworthy Governance」を掲げている。

資生堂 常務 チーフソーシャルバリュークリエイションオフィサー 青木 淳 氏(撮影=棚橋 亮)