GFPの成果で在宅勤務へスムーズに移行

――緊急事態宣言解除までは原則在宅勤務、現在は出社率を最大50%として在宅勤務が推奨されていますが、昨年10月に「テレワーク推進プロジェクト」が立ち上がっていたのですね。

伊藤:はい。様々な部門の人とディスカッションを重ねてきました。そのおかげで全社で使える「テレワークの手引き」を緊急事態宣言直前の4月1日にリリースできました。このプロジェクトには女性の統括部長も参加していました。「家族が在宅している中でのテレワークやマネジメントをどうするか」という課題を持っていたので、そうした意見も反映させることができました。

――このほかにもGFPの成果はコロナ対策に役立っていますか。

伊藤:大きなインパクトがあったのは「コミュニケーション活性化プロジェクト」で取り組んだ“カレンダーの共有化”です。以前、Outlookのカレンダーは全員の予定の有無は把握できるものの、詳細な内容は個人の設定により部門やグループごとの限定公開でした。そのため他部門の社員に相談したい時は「打ち合わせしたいが、いつなら都合がいいのか分からない」「席にいないが今どこにいるのだろう」など、余計な労力がかかっていました。そこで関連部署や役員に説明し同意を得て、全員の予定をオープンにしました。こうした基盤があったので、テレワークでもお互いの空き時間や状況を把握してウェブ会議をセッティングするなど、社員同士がスムーズに連携して仕事を進めています。

 「人材育成の仕掛けづくりプロジェクト」で取り組んだ「ナナメンター制度」もコロナ禍での働き方に寄与しています。事業拡大とともに社員数も1000人規模になってきたので、部門を越えたつながりが持ちにくくなっていました。そこで入社2年目の社員約30人を対象に、部門を横断した先輩と後輩をつなげる制度を作りました。このオフィスは7~11階の執務フロアが内階段でつながっているので、ハード面だけでなく実際に部門を越えたつながりや会話が生まれるきっかけを作りたかったからです。

 部門が異なると後輩の悩みを第三者として聞くことができるようです。今年4月の異動では、「異動先にメンターがいたから職場にすぐなじめた」「現場での心得や、異動後にやることを先に聞いておけたから柔軟に対応できた」といった副次効果があり、テレワーク下での異動を円滑に進める助けになりました。ミレニアル世代は効率化やデジタル化に慣れていて、人と会うことを省略化しすぎるきらいがありましたが、リモートの働き方が進むなかでも対面する機会を大切にするようになりました。

 結果的にGFPで目指したことは間違っていなかったと確信が持てましたし、新しい働き方に合わせてやるべきことをやってこられたと感じています。

誰もが「会社を良くする権利」を持っている

――メンバーとしてGFPの活動に取り組んできて、伊藤さん自身にはどのような気づきがありましたか?

伊藤:私が思っていた以上にこの会社のことを考えている社員が多いことに驚きました。与えられた仕事や環境をそのまま受け入れるのではなく、会社を良くするために行動する権利は社員の誰もが持っています。GFPは「こうしたらいいんじゃないか」「ここを変えたい」という考えを自由に発言し実行に移せるプラットフォームになっています。

 これまでは課題や認識があっても、部門を横断する課題は「誰に言えばいいのか分からない」「面倒だ」と後回しにしがちでした。でも、こういうプラットフォームがあれば、一歩を踏み出せます。今取り組んでいる、各事業ユニットのマニュアル統一などもまさにその一つです。