パフォーマンスが高い社員の行動を可視化する

――サーベイの概要を教えてください。

長田:社員は97問のアンケートに回答します。その結果、75の項目が可視化されます。人事担当者やマネジャーなどが閲覧する管理者画面では、回答率、男女比、偏差値が分かります。健康経営銘柄に認定されるような企業なら偏差値が60以上になりますね。何の施策もしていない企業の場合は50を切ることもあります。フィジカル、メンタル、エンゲージメントそれぞれで総合指数(ウェルネススコア)を見ることができます。

 これらのスコアに、アブセンティーズム(健康問題による欠勤)やプレゼンティーズム(健康問題による出勤時の生産性低下)を算出する経済効果分析も可能です。

――ほかにどのような分析ができるのですか。

長田:追加で人事評価や労働時間のデータを頂ければ、労働時間が短くて人事考課の高い人がどんな行動をしているかという分析も可能です。例えば、「ハイパフォーマー」(1年間の労働時間が2000時間未満で人事評価の高い方)の場合、週5食以上コンビニエンスストアで食事を済ませる人は全くいないと分かりました。また、「ハイパフォーマー」は、週3回体重計測している人が約6割いたという結果も出ています。つまり、パフォーマンスが高い社員は、健康に対する意識が高く、自己管理もしっかりできているわけです。こうした分析結果をお伝えしながら「働くからには頑張りたい、ただ、何をどうしたらいいか分からない」という人に行動のヒントをお伝えしていきます。

社員が行動を始めるきっかけ作りに

――そのソリューションが「FiNC @Work」、「FiNCウェルネスラーニング」なのですね。

長田:「FiNC @Work」では、栄養相談、メンタル相談、トレーニング相談、服薬の相談をチャットで受けることができます。オプションで、食事や宿泊などの割引が受けられる福利厚生サービスも用意しています。「FiNCウェルネスラーニング」は健康に対する意識が低い人向けに、知識提供をすることで行動変容を促すことを狙っています。

 ただし、これらのソリューションがすべてではありません。サーベイの結果から適切なソリューションを社員の皆さんで考えていただくのも大切だと考えています。社員の皆さんで考える場として、当社からワークショップを提案することもあります。

――「FiNC @Work」などの相談やサービスを利用するかどうかは、利用者である社員次第ですね。

長田:個人で健康アプリのFiNCを使ってくださっている人と違って、法人では健康意識の低い人にどう活用してもらうか、がポイントです。人が行動を変えるきっかけのひとつはインセンティブです。一般向けのFiNCアプリでは一定の歩数を歩くと1ポイント付与され、ポイントは1円に換算し、健康食品やグッズを買える当社のECサイトで使うことができます。それを「FiNC for BUSINESS」ではポイントを5倍にし、インセンティブがより増える仕組みにしています。

 また、もうひとつのきっかけ作りとして、サーベイの自分の回答結果を個人にもフィードバックしています。サーベイを受けた結果、例えば肩凝りがあると出たら、FiNC内のコンテンツで肩凝り解消のノウハウを検索できます。

――「FiNC for BUSINESS」を導入する企業はどのような業種が多いのでしょうか。

長田:当社への出資企業の業種にも傾向が表れていますが、健康に対する意識の高い食品業界ではニーズが高いと感じています。また、シフト制の勤務が多く社員が様々な拠点で働いているような企業からのお問い合わせも頂きます。

――今後の展開を教えてください。

長田:企業で管理している健康診断のデータ管理システムを構築中です。健康診断の結果とウェルネスサーベイの結果を紐づけたいと考えています。例えば、どのような生活習慣の方が血圧が高くなりやすいのかという因果関係をダッシュボードに掲出して、サジェスチョンできるような仕組みができればと考えています。