――研修内容を変えてから3年目になります。そうやって入社してきた新入社員は現場での評判はいかがですか。

小山:実は1年目と2年目の研修はモード2中心の研修を行い、既存事業の考え方や手法を知らないままで現場に送り込んでいました。まだDXビジネスが少ない従来の事業領域では即戦力になりません。そこで3年目となる今年から、ギブリー社の「track」という研修を導入し、モード1・モード2の両方のスキルを習得させる研修に変えました。

2017年にオフィスを移転。左写真が旧オフィス。当時、ビルの各階に点在していた各部署を2フロアに集約した。右写真が現在のオフィス。予約が必要な会議室は設けず、必要な時に打ち合わせられるスペースがフロアの各所にある(出所:セゾン情報システムズ)

――その研修を行っているのが、御社のエントランスにある共有スペースなのですね。

小山:はい。実は2017年のオフィス移転と同時に、「島型」のデスク配置をやめてフリーアドレスにするなど、オフィス環境を抜本的に変えました。新卒社員研修の「SISCOフレッシャーズラボ」は共有スペースで行っています。

 併設しているコーヒースタンドに、コーヒーを買いに来る社員がたくさんいます。ハンドドリップで淹れているので、それを待つ間、研修風景を目にするんですね。

 従来からいる社員はモード1型が多いので「こんなものを作っているんだ」と彼らの研修を目の当たりにし、「自分たちも実装力をつけないと後輩に示しがつかない」と意識するようになる。それも狙いの一つです。現在の研修を受けている世代の少し上に当たる20代後半の社員は、勉強会や研修に積極的に参加するなど自走できるようになってきています。こちらから「やれ」と言うのではなく、権限を委譲しノールールだからこそ自分から動く社員が育つと感じています。

エントランス脇にある共有スペースで実施しているので、その様子は社内外の人に「丸見え」だ。(出所:セゾン情報システムズ)

――その他の研修は社員が自由に受講できるのですね。

小山:はい。研修の場はたくさん提供していますが、一部必須研修はあるものの「何年目の社員に必須」といったルールはほとんど設けておらず、研修の参加は自主性を尊重しています。役割に見合った力をつけなければ……と自分で自覚して受講するようにと考えています。3年前の社員の受講平均数は年3日でしたが、19年は4~8月までの5カ月間で12日も受講しています。さらに、この3年間で残業が20%減り、有休取得日数が3.9日増えるなど、働き方改革も進みました。働き方を変えて生まれた時間を使って自主的に学ぶようになったとも言えます。