仕事と家庭、両方にストレスがあると危険
(1)仕事のストレス要因に、(2)個人の状況や性格などの要因、(3)家庭や家族からの要求という要因が加わると、(5)「ストレス反応」が現れ、さらに進むと(6)疾病を発症します。
つまり仕事と家庭の両方でストレスを受ける状況だと、心理的、また生理的にもストレス反応が起こりやすく、疾病につながりやすいと言えます。
反対に、仕事と家庭のどちらか一方にストレス要因があっても、もう一方には無い、あるいは軽微であれば、症状の表出にはつながりにくいのです。
仕事の場面での具体的なストレス要因を列記したものが次の表です。あなたならどの状況にストレスを感じるかチェックしてみてください。どういう状況が苦手なのか。自分自身の特徴を知ることができます。
いかがですか? 「こういう状況に最もストレスを感じる」、「こんな環境での仕事が一番苦手」といった自分の特徴に気づくきっかけになるのではないでしょうか。
大切なのは「何をストレスに感じるかは、人によって違う」ことです。
Aさんは「仕事量が多いこと」に強いストレスに感じるけれど、Bさんは「役割があいまいで、自分の権限がハッキリしていない」ことがつらい。Cさんはこの両方にストレスは感じるものの、その感じ方はごく弱く、一方で「職場内のメンバー間で意見の違いや衝突が多い」ことには非常に強いストレスを感じるという具合です。
あなたが職場で「イヤだ」「つらい」とストレスに感じることを、皆が同じように感じるわけではありません。その人の状況や、物事の考え方などによって、受け止め方が違ってくるからです。
メディカルケア虎ノ門のリワークプログラムでは、この13の項目一つひとつについて、どの程度ストレスを感じるかを点数化し、その程度の強弱を確認します。そして、自分が最も強くストレスを感じる状況を把握し、プログラムに参加するほかのメンバーとディスカッションして、理解を深めていきます。
ある参加者は「自分が最も強くストレスに感じることを、ほかのメンバーがそれほどストレスに感じていない」と知って、とても驚き、だからこそ、その対策を自分で準備する必要性を強く実感したと話していました。