上司や同僚、家族のサポートはあるか?

 さて、最初の図に戻りましょう。

 (1)仕事でストレスを感じながら、(2)個人的な要因や(3)仕事外の要因でもストレスがある状況では、(5)のストレス反応が起こりやすく、やがて(6)の疾病発症となりかねません。

 そこで、注目すべき大事な要因が(4)の緩衝要因です。

 ここでは「上司や同僚、家族からのアドバイスなどの社会的な支援」を緩衝要因と呼び、仕事や仕事以外のストレスによって心理的・生理的なストレス反応が生じることを防ぐ役割を持つことを表しています。

 つまり、仮に仕事上でストレスがあっても、上司や同僚、家族からの助言や支援、何らかのサポートを得られれば、心理的、身体的なストレス反応や健康問題を防ぐことができる可能性を表しているのです。

 ただし、待っているだけで自分自身は何もしないのでは、周囲のサポートを得られない場合もあるでしょう。ストレスの負担が大きくなる前に、信頼できる相手に相談するなど、自分から支援を求めることも大切です。

 逆に、この「上司や同僚、家族からの社会的支援」を得られない状況(=緩衝要因が足りない)が続いていると、ちょっとした仕事や個人の要因で、心理的、身体的ストレス反応の出現につながりやすいと言えます。

「ストレス対処法・100選」を持とう!

 次に、メディカルケア虎ノ門のリワークプログラムの、すぐに取り組める具体的なストレス対策方法を紹介します。名付けて「ストレス対処法・100選」です。

 100個も?と驚くかもしれませんが、対策のバリエーションは少ないよりも多い方が良いでしょう。「この手がダメならあの手」と、あらかじめたくさんの備えがあれば、より安心です。

 さて、皆さんは100個、挙げられますか?

 コツは、具体的に書き出すことです。例えば、 ・「外出する」ではなく「お気に入りのカフェでコーヒーを飲む」、

・「笑う」ではなく「YouTubeでお笑い芸人の動画を見る」、

・「身体を動かす」は「駅前のスポーツジムで筋トレをする」

という具合に、誰が読んでも同じことを再現できるよう具体的に書き出します。

 抽象的に100個を挙げるのは難しくとも、具体的な行動にしていけば、同じ「身体を動かす」アクションでも、「寝る前に腹筋100回」「自宅周辺を30分ランニング」というようにバリエーションを増やすことができます。

 バリエーションがあれば、疲れてヤル気が出ない時でも、その場でできる対処法を見つけやすくなるメリットが生まれます。

 何より、ストレスを早期発見し早期対処する。そして実は、ストレスを蓄積する前に予防するという発想が有効です。

 ストレス対策というとなぜか、たまったストレスを「解消する」「発散する」方向ばかりが考えられがちですが、そうではなく「ああ、何だかストレスがたまってきたな」と自分が実感する前に、普段の生活の中で先に挙げた100個の対処法をどんどん実行しましょう。