例えば、当クリニックのリワークプログラムでは、プログラム終了までに最低半年の期間が必要ですが、休職後に早期に参加すれば、復職まで余裕をもってプログラムに参加できます。

 早く参加すれば、早く復職の準備を始められ、病気の特徴や対処方法を学び、同じ病気の仲間と共に再休職予防のスキルを身に付けることができます。

病気治療から再休職予防までをサポート

 急性期を経て、症状がある程度おさまった「回復期」では、まず生活リズムを整えることが大切です。症状が激しい急性期には、その日の気分や体調の悪さのため日中に横になり、夜の睡眠が一定しないという毎日を過ごしやすくなってしまいます。

 リワークプログラムに通うために、しっかり朝起きて、きちんと夜眠るという生活リズムを整えることで、人間本来の健康的な生活サイクルを取り戻すきっかけになります。動物にはいろいろな生体リズムがありますが、その司令塔は脳です。とくに睡眠覚醒リズムは重要です。規則正しい生活リズムになると、睡眠も、そして、うつの症状も良くなってきます。

 休職期限が迫り、プログラム途中で復職する場合でも、ある程度のレベルにまで達していることを会社に証明できます。また、短期間であってもプログラムに参加すれば、その内容の一端や、取り組む過程を知ることができ、復職を目指す仲間と出会うことができます。周囲から理解されにくく、一人で抱え込んでいたうつ症状の悩みや孤独から解放されて気持ちが楽になるという効果もあり、後になって役立つことも多いでしょう。

 うつという病気を治療するだけでなく、うつから回復して復職し、さらに再休職することなく働き続けられるように、一貫してサポートできるリワークプログラムを提供する医療機関を早い段階で選ぶこと。これが、最善の方法です。

(構成/ふくいひろえ)

注目の『リワークプログラム』の全容が分かる一冊

 うつは自宅療養と服薬によって症状が回復します。でも、症状が消えて、通勤できる程度の回復では職場復帰には不十分です。なぜなら、休職しなければならなかった自分が持つ課題を克服するスキルを身に付けなければ、再び休職してしまう可能性が高いからです。

 本書ではプログラムを経て復職した元うつ患者と、リワークプログラムを考え出した医師が、元患者の体験談も交えながら、プログラムの内容とその効果を、資料も提示しながら分かりやすい言葉で紹介しています。

『職場復帰を支え、再休職を防ぐ! うつのリワークプログラム』
五十嵐 良雄 著 / 日経BP / 1,540円(税込) / 224ページ