アニメ「アリキリ」は、同社が20周年を迎えた2017年8月に20周年記念サイトで公開。これを皮切りにオウンドメディア「サイボウズ式」や交通広告、新聞広告を通じて認知と拡散をはかった結果、様々なメディアやSNSで若者を中心に大きな反響を呼んだ。また、「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」2017年の総務大臣賞/ACCグランプリを受賞するなど、各方面で話題をさらった。Webサイト、動画、SNS、新聞などをミックスさせた取り組みが奏功したといえるだろう。

 この後もサイボウズは前述の「選択型人事制度」をさらに進化させ、2018年4月より各自が働く場所と時間を宣言できる「働き方宣言制度」を開始。20周年の施策と連携しながら、同社ならではの働き方改革を進めてきている。

 同社が周年事業として「働き方改革」を取り上げたことについて、杉山氏はこう指摘する。「周年は、トップがコミットし、全社が一体となって新しいことにチャレンジできるチャンスです。これまでも当社は働き方について様々な検討を重ねてきましたが、今回は周年を機にアニメーションや広告による社外への発信というプロジェクトにチャレンジしました。このことは、当社にとって非常に価値があることだったと思います」

 周年事業としての「働き方改革」は、社外への訴求に成功しただけでなく社内での成果もあった。「私たちが情報を発信することで、社外からサイボウズは働き方に関して柔軟に真摯に取り組む会社である、という見方をされるようになります。これによって社員の働く意識も高まりモチベーションも上がるという、いいサイクルができました」(杉山氏)

 サイボウズの周年事業は、人材戦略をより加速し、進化させた好例ということができるだろう。