守秘義務の大前提についてお話ししましたが、人事が介入すべき時や、事前に知っておきたいこともありますよね。それは、社員のメンタル的な問題になっている場合や、異動・退職の兆候がある場合かと思います。

 だからこそ、その点もルールに含めておくことと、上記のようなケースの場合、以下のような対処を、マネジメント側に事前に共有しておくといいでしょう。

*リスクを含んだ時の例外的な対処方法*
対処1)他の人に相談をすることを、上司から本人に確認しておく
 例えば、「他の部署に異動したい」「他のチームの仕事の影響を受けている」などがあったら、1on1の時に上司から本人に「これを解決するために、△△部の●●さんに相談してもいいかな?」と確認をとってもらう

対処2)休職や退職リスクのある場合は、人事に伝えてもらう
 例えば、テレワークでずっと家にいて鬱っぽくなっている、など。この場合も、できれば対処1のように、上司から「人事に相談してもいいかな?」と一言声をかけてもらう方がベター。しかしリスクが高い場合には、上司から人事に一報を入れてもらうというのを事前に確認しておく

 どちらの場合も重要なのは、1on1で部下が本心を話せるという信頼関係と安心・安全の場が確保されていることです。もし本人の許可が得られていない場合には、人事から急に本人にコンタクトをしてしまったりすると、信頼関係が崩れてしまいますので要注意です。そうした場合には、上司側に協力を得ながら慎重にアプローチをしていく必要があるでしょう。こうした例外の場合も含めて、事前にルールを周知しておくことが重要になるでしょう。

 目的とルールが決まったところで、実際の導入に向けて現場への研修が必要になります。後半では、そうした研修内容についてお話しします。

(構成/岩辺みどり)