1on1に対しては即効的な効果を期待せず、長期的な視野で取り組むという姿勢が大切です。3カ月、半年、1年と長い視野で見ていくことで、最初に設定した「目的」が達成されつつあるのか、そうでなければ改めて研修や対策が必要なのかを再考するのです。

 こうしたアンケートで、もし上司の評価が低い場合には、改めて研修を実施します。その際、上司を責める形にしてしまっては協力を得ることは難しいので、そのチームや営業所などグループ全体で行うとよいでしょう。「ランダムでフォロー研修をしています」という体にする手もあります。私の場合は「システムコーチング」という手法を使って関係性のコーチングを行っています。他の方法でもかまいませんが、チーム内での不満を上手に吐き出させ、改善に向かっていけるようなワークショップや研修にしなくてはいけません。

 例えば、1on1に対するポジティブな意見とネガティブな意見を無記名で書き出してもらい、それを貼り出して全員で見て、改めて1on1の目的を人事側から伝えてもよいでしょうし、どうしたらよくなるか話し合ってもいいでしょう。

 コロナ禍でテレワークが始まった当初は「Zoom」などのオンラインシステムに不慣れだった人も多いでしょうが、何度も使ううちに慣れてきたはずです。1on1も同様に慣れが必要です。1回ではもちろんうまくいきませんし、3カ月から半年ほど経過してやっと当人たちも、その良さが分かってくるものです。徐々にお互いを知り、関係性が良くなってくると相手にあった話や対応も分かってきて、良いスパイラルが生まれてきます。上司側も傾聴スキルが上がり、良い質問ができるようになるでしょう。スポーツと一緒で、良い質問をすることも練習を重ねなければ上手にはならないのです。

 すぐに結果を求めず、人事側も長期的に見守り、サポートしていきたいですね。

(構成/岩辺みどり)