1964年東京生まれ。大手メーカーを経て、リクルートエイブリック(現リクルートエージェント)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて雑誌「Works」編集長を務め、2008年にHRコンサルティング会社ニッチモを立ち上げる。『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』(「モーニング」連載、テレビ朝日系でドラマ化)の主人公、海老沢康生のモデルでもある。人材・経営誌「HRmics」編集長、リクルートキャリア フェロー(特別研究員)。『AIで仕事がなくなる論のウソ』(イーストプレス)、『人事の成り立ち』(白桃書房)など著書多数。
著者
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
[日本型の問題その4]非正規雇用とは「過去の日本型」の安全弁
日本型雇用の二つ目の問題は「非正規雇用」。日本の非正規雇用労働者は、国際的に見て労働時間が長い一方で報酬が著しく低い。その理由は「お父さんの雇用を守る」ためだった。
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
[日本型の問題その3]時短と日本型雇用システムとの果てしなき闘い
「顧客」と「上司」に阻まれて時短が進まない日本の職場。欧米には無茶な要求を押し付ける顧客や、それをそのまま引き受けて部下に押し付ける上司が生まれるのを防ぐ仕組みが存在している。ただしそれを日本に取り入れるには、様々な障害が立ちはだかる。
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
[日本型の問題その2]帰宅を阻む「二神教」社会
2019年の労働基準法改正は、時間外労働に厳しい上限を設けるなどして日本の長時間労働の是正を図った。これは一定の効力を発揮したものの、今もなおサービス残業などが続いている。その背景には法律を超えた二つの「神」の存在がある。
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
[日本型の問題その1]50年間ずっと変えられなかった長時間労働
日本型の「誰もが階段を上る」雇用スタイルは、過重労働という問題をはらむ。日本人の労働時間の長さはOECD41カ国でワースト4位。データではこの30年で160時間以上減っているのだが、実はこの数字も実態を表してはいない。
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
ミドルが生きづらいのは日本だけ?その構造的な理由
若年層の失業率が長年の課題である欧米に対し、日本ではミドル/シニア層が「お荷物」と見なされ、リストラ時には真っ先にやり玉に上がる。雇用を巡る社会問題の違いも実は、両者の雇用の仕組みが異なっていることに起因している。
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
欧米には日本人の知らない二つの世界がある
残業が多く休みが取りにくい日本に比べ、欧米はワークライフバランスに優れ、女性も働きやすい。それというのもジョブ型雇用だから――。まことしやかに伝わるこんな話は大間違い。欧州企業にはジョブ型労働者とエリート層の二つの世界が存在し、働き方は全く...
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
「ジョブ型なら若くして出世できる」という勘違い
日本型雇用では多様な経験を積ませて育てるので、下積みの期間が長い。対してポストありきで採用するジョブ型なら、専門性を磨き、実力が認められれば若いうちから昇進できる。「ジョブ型神話」につきまとうこんなイメージは果たして真実なのか。
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
なんだかんだ言っても新卒一括採用が最も合理的
日本型雇用の代名詞である「新卒一括採用と終身雇用」はなぜ普及したのか。途中解雇が難しいのはなぜなのか。人事の一般常識を覆す真実を明らかにする。ヒントは「ヨコヨコタテヨコ」だ。
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
今の時代にJDで細かく定義されたジョブなどありえない
ジョブ型雇用に必須なのが「ジョブディスクリプション(職務記述書、JD)」。仕事をタスク分解して定義し、まとめてJDにしておけば、仕事の範囲が明確になりブラック労働も発生しない――。こうした「JD神話」はたくさんの矛盾をはらんでいる。
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
人事制度の基礎を復習(3)成果給で本当に変わったこととは?
ポスト数を定めず、いくらでも昇級させてしまう日本の職能主義では、総人件費の上昇を止められない。そのため多くの企業は4つの調整弁を設けてきた。その欠点を補うため成果主義が導入されたが、その本質を正しく理解できているだろうか。
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
人事制度の基礎を復習(2)結局「職務主義もどき」しか作れない理由
異なる等級の社員が同じ役職に就き、賃金も違う――。職務主義中心の欧米人からはカオスのように見える日本の職能主義には、メリットも少なくない。だがポストに定員がないために恣意的な運用を可能にし、「職務主義もどきの職能主義」をはびこらせてきた。
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
人事制度の基礎を復習(1)職能主義と職務主義の根源的な違い
分かっているようで、実はちゃんと理解していない人事制度。今回は「職務主義」と「職能主義」の違いをゼロから学ぶ。ジョブ型で注目を集める職務主義だが、日本企業が長く活用してきた職能主義とは何が違うのか。ポイントは個々の社員の「能力」の扱い方にあ...
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人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~
「ジョブ型」祭りに見る脱日本型、失敗の本質
“ジョブ型”というマジックワードを使って旧来の日本型を批判すると、何となく全てが正論に見えてしまう。しかしジョブ型が何たるものか、人事のプロも理解していない。60年前から今と同じような議論が繰り返され、何も変わっていないのだ。