おわりに

今回は「どのような医療データが求められているのか」、大まかな視点で整理をしてみた。医療DBの価値という視点ではこの他にも即時性であったり、希少性であったり、工夫次第で何倍もの魅力あるDBにすることが可能な視点がありそうだ。それにしてもつい2~3年前までは今のように医療DBを当たり前のようにして使うという状況が全く想像できなかったわけで、今の状況を大変ありがたく思うばかりである。

一方で、どうにも人は欲望に限りがないようであって、こうなってくるとどうしてもデータ同士のリンケージ、つまり共通したIDによって同一の人の様々な病院や薬局、検診センター、介護施設、住民票や死亡個票に至るまでを繋げて欲しくなってくる。さらには両親のIDがどれか迄も。

なぜならば疾患の遺伝性リスクの研究やサリドマイド事件(薬の副作用による催奇形性)を最小限に留めるには、世代間のリンケージが必要不可欠だからだ。こうしたニーズを次世代医療基盤法の本稼働以降は大いに期待したいところである。人は社会的な存在であり、一人では生きていけないものだ。医療DBもまた人の営みと同様にして、データとデータが手を繋いでこそよりその価値は何倍にも増すことだろう。