本年6月10日(水)、東京・ヤクルトホールにおいて、「健康と経営を考える会」が主催する『「保険」(データヘルス計画)と「投資」(健康経営)で支える健康長寿ビジョンを皆で考えよう!!』と題するシンポジウムを開催した。連載3回の第3回は、医療法人社団同友会理事長の高谷典秀氏が座長を務めたディスカッションをリポートする。

開催概要
○日時:2015年6月10日(水)14時~17時
○会場:ヤクルトホール
○プログラム:
開会挨拶:ミナケア代表取締役 山本雄士氏
基調講演①:厚生労働省保険局 局長 唐澤剛氏
基調講演②:経済産業省商務情報政策局 局長 富田健介氏
○パネルディスカッション
ショートプレゼンテーション①:産業医科大学教授 産業医実務研修センター長 森晃爾氏
ショートプレゼンテーション②:日本人間ドック健康協会 副理事長 那須繁氏
ショートプレゼンテーション③:ミナケア代表取締役 山本雄士氏
○ディスカッション
座長:医療法人社団同友会理事長 高谷典秀氏
パネリスト:
厚生労働省保険局 総務課課長 大島一博氏
経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課 課長 江崎禎英氏
産業医科大学教授 産業医実務研修センター長 森晃爾氏
日本人間ドック健康協会 副理事長 那須繁氏
ミナケア代表取締役 山本雄士氏
ローソン顧問 鈴木 清晃氏
すかいらーくグループ健康保険組合 常務理事 酒匂堅次氏

社会を変える挑戦に、
主体的に取り組もう
シンポジウムの最後は、医療法人社団同友会理事長の高谷典秀氏を座長に、ショートプレゼンテーションを行った森氏、那須氏、山本氏に加え、厚生労働省保険局総務課課長の大島一博氏、経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課課長の江崎禎英氏、ローソン顧問の鈴木清晃氏、すかいらーくグループ健康保険組合常務理事の酒匂堅次氏が参加し、ディスカッションを行った。
鈴木氏 皆さんの講演から、健康経営が1つの運動として強まって行くことが感じられるが、経営層の関心を高めることが難しい。経営者を巻き込んだ活動にするためのアイディアを伺いたい。
江崎氏 健康と経営が対立概念だと思っている経営者は多いだろう。しかし、経済拡大期において培われてきた常識や文化を変える時期が来ている。大量の製品を早く安く作ることが求められた時代は、家庭や健康を犠牲にして頑張ることが奨励され、それを未だに信じている経営者も少なくない。大企業は健康経営銘柄の指定に対し、良い形で反応した。銘柄指定された企業からは、「銘柄指定がブラック企業ではない証拠になり、人材確保に役立っている」と、好評を得ている。
中小企業の中でも、ビジネスは顧客のために手間をかけることがわかっているところは、リーマンショック後も業績が伸びている。これからのビジネスには、人生の楽しみ方を提案する企画力が求められるが、徹夜明けの人に良いサービスは考えられないだろう。