OCTによって早期発見だけでなく
治療の評価も飛躍的に進化

それぞれの黄斑疾患の治療について教えてください。

五味 加齢黄斑変性の治療は、目に注射をする「抗VEGF薬(抗血管新生薬)」と、レーザー治療の一種である「PDT(光線力学療法)」があります。この抗VEGF薬は、VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor:血管内皮増殖因子)を抑えることで浸出や浮腫も抑える効果があるため、黄斑浮腫の治療薬としても使われています。PDTは、アジア人に多い加齢黄斑変性の一病型であるポリープ状脈絡膜血管症と呼ばれる病態には有効例が多いです。

黄斑上膜は、手術によって網膜上の膜を取り除きます。黄斑円孔も同様です。

中心性漿液性網脈絡膜症は、通常のケースではレーザー治療を行います。従来のレーザー治療が難しい場合、現在はまだ認可外ですが、PDTの有効性も報告されています。

実際に治療を受けた場合、それが有効であったかどうかも、治療前後の所見をOCTで確認することで一目でわかります。

眼科開業医がこれら黄斑疾患を治療することは可能ですか。

五味 薬とそれを投与できる清潔な環境、種々のレーザー装置、硝子体手術ができる施設のないところでは難しくなります。治療前後の経過観察を開業医で行う、病診連携をとることが多いです。

日常生活の中で予防することはできますか。

五味 現段階では難しいと言えます。加齢に伴い減少する抗酸化物質や黄斑色素をサプリメントで摂取することは、欧米での加齢黄斑変性の大規模スタディでは有効であると報告されていますが、日本人ではまだ証明はされていません。ただし、日々の食事の中で、これらを多く含む緑黄色野菜をとることは心がけても良いと思います。

酸化ストレスを増やす喫煙、脂質の多い食事は避け、生活習慣に留意し、強い日差しが目に入ることも避けるほうが良いでしょう。また、ブルーライトも悪化因子と言われています。

遺伝子要因は関係するのでしょうか。

五味 関係はあります。今わかっている加齢黄斑変性のリスク遺伝子を持っていると、病気の発症率は上がることが知られています。ただし、実際の発症頻度から計算すると、遺伝子だけが原因となるのではなく、環境要因も大きいと考えられています。

第1回終わり(第2回に続く)