学会主導から第三者機関で始まった
新専門医制度に期待

新浪博士氏

2017年から開始予定だった新専門医制度は、一旦実施が見送られることが決まりました。この新専門医制度について、どのようにお考えでしょうか。

新浪 例えば、保険医登録では2年以上の臨床研修を受けなければライセンスが取得できませんが、その善し悪しは別として、これによって不正な診療や不当な診療記録等は防げます。新専門医制度への反対もあるでしょうが、実施すれば少なくとも財政的にはプラスになる可能性があると思います。

そしてもう一つ、私が今回の専門医制度に期待しているのは、これまでの学会主導から既存の組織とは関わりのない日本専門医機構という第三者機関で始まったことです。こうした形でなければ、みんなで良くしようといっても改革は望めず、この新制度こそが変革できる唯一の方法ではないかと考えています。

しかし、繰り返しになりますが、集約化すると医療過疎の地域が多くなりませんか。実際、埼玉県は医療過疎県と揶揄されています。

新浪 埼玉県は面白いところです。人口約730万人の埼玉県は全国人口ランキングでは第5位に位置付けられながら、10万人当たりの医師・看護・ベッド数はワースト1です。一方で、治療や手術実績にみる病院ランキングにおいては500施設中、埼玉県の2施設がベスト10にランキングし、当センターはベスト3に選ばれています。この結果を専門医的に考えると、患者を送れる施設は決まっており、埼玉県ではすでに施設の集約化ができているといえます。

ただし、一次救急、二次救急に関しては、医師数が少ないがゆえに患者さんをたらい回しにするなど、様々な問題があることも事実です。しかしこうした問題は、前述したように交通アクセスを整えたり、ドクターヘリを充実させることで解決できるはずです。

また、山梨県も医療過疎といわれる県の一つですが、中央道と圏央道が繋がったことで埼玉県とも近くなりました。搬送の手段が整備されれば、山梨県の救急患者を埼玉県で診ることも可能になります。病院と専門医の集約化は、超高齢社会を迎えた日本では必須の方策だと思います。

第3回終わり(第4回に続く)