進むべき道の再考

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医療データの活用促進を進めていくと、どうしてもプライバシーが守れない、ディストピアの世界が見え隠れしてしまう。世の中には善人も多いが悪人もゼロにはなりそうにない。たとえそれが100万人に1人程度の割合であったとしても、私たちの医療データがいつの日にか根こそぎコピーされ、悪人の手に渡ってしまうことに怯えながら過ごさなければならないだろう。医療データ同士が、あるいは医療データと貯蓄データや行動(GPS)データ、遺伝子データなどが様々につながることで、より多くの発見、発明が見込まれる一方で、これが悪人の手に渡れば命の危険さえおきてしまう。物理的な盗難物であればいずれ取り返せるかもしれないが、データなる“所有物”は容易に完コピされ、知ってしまった情報は逆に脳内から完全排除することができない。遺伝子情報漏洩の被害は自分の身だけに留まらず、自分の子供や孫のプライバシーさえも脅かす。さて、一体どうしたらいいものだろうか。やはり医療データの活用促進は一旦、立ち止まるべきなのだろうか。あるいは、せめてデータ同士のリンクは遮断すべきなのだろうか。

とは言うものの、前述したライアンの推察通りグローバル世界の中ではデータの集約やリンクがこれから益々、加速度的に進んでくることだろう。医療データの活用が活発化する他国でばかり魅力的な医薬品が開発し発売され、街が整備され犯罪が抑制される。もしも日本が医療データの活用、データ同士の接続に向かわなければ国力を大きく損ねてしまうこと請け合いである。然るに我々は険しくともユートピアを目指せる「データ活用促進」の道を進むより他にないだろう。ガンダーラ、孫悟空の一行が目指したまち。そこにたどり着けたのかどうだったか、結末がどうもよく思い出せないでいるのだが。


*MBTコンソーシアムHP

http://mbt.or.jp/

* Society5.0 内閣府HPより

「Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。」

https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html

*ウィキペディア「プライバシー」

https://ja.wikipedia.org/wiki/プライバシー

*ウィキペディア「宴のあと」

https://ja.wikipedia.org/wiki/宴のあと

*プライバシーマーク制度

https://privacymark.jp/wakaru/kouza/theme5_02.html