年末の慌ただしさ

毎年のことだが12月は慌ただしい。体感的には31日という日数が通常の月の半分、15日くらいしかないように感じられる。私事で恐縮ではあるが、年明け1月に引越しを控えていることもあって、特に今年はなおさらである。引越しといっても勤務先が変わるわけでもなく、今の住まいから都心をまたいで南に移る程度のものではあるのだが、移動距離が短いからといって、引越しの手間が減る訳でもない。果たして予定通りに引越しができるかどうか、バタバタとやっているところだ。

さて、本コラムは当初30回を想定していたのだが、その30回目となる前回が医療データ活用の負の側面、ディストピアについてというテーマであった。「なるほど、監視社会の危険について警鐘を鳴らすために、それまでの29回分は前フリをしていたのか」と誤解されても仕方ない(そんな人はいない?)。ということで、最後の1回、執筆の機会をいただいたところである。今回はこれまでの30回を振り返ってみる機会としたい。

コラム連載の背景

連載を始めたのは昨年の2月からである。定期的に出席している医療ビッグデータコンソーシアムの事務局からお話をいただき、確か当初は私が専門としている疫学をテーマにした読み物というご提案だったと記憶している。そこで疫学の入門編のような企画も考えてはみたのだが、それではコンソーシアムの主たるテーマである「医療データ」と少し離れてしまうし、私自身にも学びや刺激が少なさそうに思えた。そこで医療データ活用周辺のテーマを取り上げましょうということになり、タイトルは「医療DATAコト始め」となった。「コト始め」という提案は企画を提案された方からのもので、恐らく私の名前が事成(コトナリ)であったからである。また、コラムの執筆者の肩書きには「この人は誰?」を簡潔に承知していただく必要があろうことから、「えきがくしゃ、ではどうか」との提案をいただいた。企画側の意図としては単に「疫学者」という堅苦しさを緩和する意図で、平仮名表記にしてはではどうかということだったようだが、私の方では別の意味でありだな、と思った。コラムの本文中でも触れたように、なるほど純然たる「疫学者」とするのはおこがましいものの、平仮名であれば少しウソっぽい「易学者」とも読める。それならば、ということで「えきがくしゃ青木コトナリの医療DATAコト始め」となったのである。なお、確かに純然たる疫学者ではなくとも、「専門家でもない人が適当なことを書いていたのか」と思われるのは忍びないし、ここまで読んでくださった方にも失礼だろう。只今は企業勤めの傍ら、日本薬剤疫学会では理事*1として、日本臨床疫学会では「上席専門家(Fellow)*2」としての立場でもお仕事をさせていただいており、私がテキトーなことを書いて学会や疫学の学問領域の名前を汚すわけにはいかない。その意味で平仮名の「えきがく専門家」としての使命は全うしたつもりである。

一方、4コマ漫画の連載は私のアイデアである。提案したのはいいが作画の時間も甚だ不安があったことから、妻に協力をしてもらうことにした。少し書いてみてもらったら私よりもはるかにうまい。結果的に彼女は「漫画家デビュー」となり、後半に差し掛かってからは、さらにスキルが上がったように思える。無論、この後に漫画家としての仕事が控えているという訳ではないのだが。