全ては患者のQOL向上のために
テクノロジーを活かす
ソリューションを提供

マホーニー  弊社も医療機器メーカーとして、病院が直面する課題は理解しています。これまで循環器内科や脳神経外科をはじめとする様々な製品を開発する中で、特に低侵襲治療に専念してきました。しかし、私たちが提供するのは、臨床的価値だけでなく、入院期間の短縮などの経済的な価値、そして患者負担の軽減です。

例えば、日本で提供している大動脈弁置換術のプログラムでは、通常2〜3週間の入院期間が1~2泊に短縮できるケースが増えています。病院にとっては患者1人当たりのコストが下がり、患者は早期退院によって予後の向上が目指せます。

また、テクノロジーを最大限に活かすためのトータルソリューションを提供しています。それがEDUCAREとADVANTICS™という2つのプログラムです。1つ目のEDUCAREは、医療者を対象とした患者ケアをサポートする教育とキャリア向上のためのトレーニング。医療者の技術的な知識やスキルを高めることに加え、リーダシップを発揮するためのプログラムの提供なども通して、臨床的成果の最大化を促進します。

もう1つのADVANTICS™は、病院の生産性を高めるプログラムです。設備投資や融資の検討、患者数を増やすアドバイス、遠隔診断・モニタリングツールなど、弊社が持つベストプラクティスを提供しています。

橋本  どちらも素晴らしいプログラムです。医療機器を使う側の医療者にとって、製品を提供する側の姿勢が見えることは非常に大事なことで、この2つのプログラムから企業の姿勢が明確に伺えます。

私たち医療者はこれまで病気になった人を治療してきましたが、それではいつまでたっても患者も医療費も減りません。日本の医療費の半分は75歳以上の高齢者に費やされ、しかも一般の3倍かかっています。もちろん、それで救える場合もあるため、単純に高齢者にかかる医療費を削減するということではありませんが、限られた財源を適正に使うためには、この問題を直視すべきです。

これからはいかに病気にならないようにするか、予防を含めた先制医療や、QOLを低下させるボトルネックを見つけ治療することが重要になってきます。

マホーニー  予防や先制医療でQOLを改善する事例として、最近、FDAに認可された弊社の低侵襲デバイスをご紹介します。ご存じのように心房細動は心臓の左心耳に血流が滞り、脳梗塞のリスクが高まる疾患ですが、このデバイスは左心耳を閉塞して脳梗塞を防ぎ、抗凝固剤投与の必要性を減らします。デバイスを装着することでリスク低減とQOLの改善へと導きます。

橋本  QOLを改善することは素晴らしい方向性だと思います。ただ、特に高齢者の場合、一度QOLを上げたとしても、全身疾患を抱えているため全体としてみるとなかなか上がらない。心臓だけ、脳だけといったように専門ごとに治療していてはコストがかかるだけでなく、本当にその人のQOLを改善できたかがわかりません。

超高齢社会においては、医療者は患者を1人の人間として診て、QOLを落とさないために1つだけ治療をするとしたら、どこを治療すべきなのかといった冷静な診断が重要になってくるでしょう。同時に、QOLが落ちてからではなく、落とさないよう少しでも早く医療者が介入し、治療することが必要です。これは難しい問題ですが、今後は「Quality of life」をより長く保つことで「Quality of best」、その人の幸せにつながっていくと考えています。

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