このような状況を改善するべく、政府は介護ロボットの開発・普及の促進に取り組み、機器を導入する介護施設への補助金などの支援を始めた。その結果、介護ロボットを導入して職員の負担を軽減し、被介護者の満足度を高めることに成功している介護施設が増えてきたが、一方で、介護ロボットは「価格が高い」「機器の扱いが難しそう」などの課題も見えてきた。

特別養護老人ホーム「新とみ」を取材

介護する側の仕事を支援し、介護される側の自立を助けたりする介護ロボットは、主に3つの種類に分類される。第1は介護者(介護職員)の移乗、排泄、見守りなどの業務負担を軽減する「介護業務支援型」、第2は被介護者の歩行、食事などの自立を支援する「自立支援型」、第3は被介護者のコミュニケーションや癒しに役立つ「メンタルケア支援型」である。

東京都中央区にある特別養護老人ホーム「新とみ」では国や自治体の補助金制度を活用して、様々な介護ロボットを導入している。主なものを紹介しよう。

「マッスルスーツ」を装着してベッドメイキングをする職員

新とみが最初に導入した介護ロボットは移動支援・搭乗型の「スカラモービル」で、2015年のことである。それまでは、5階までエレベーターのない都営住宅などに住む高齢者をデイサービスに案内する時、複数の職員が抱えて階段を昇り降りしていたが、「スカラモービル」を使うこととで車いすに乗せたまま階段を昇降できるようになり、職員の負担は大きく軽減されたという。

次に装着型の移乗支援機器「マッスルスーツ」は車いすへの移乗の際に、介護職員の腰や膝への負担を軽くしてくれる。2015年に初めて導入した頃はタンク付きのモデルで重く、装着が大変だったが、その後、タンクなしの手押しポンプで空気を入れる改良版「マッスルスーツ・スタンドアローン」が出て容易に装着できるようになった。現在はスタンドアローンをおむつ交換、ベッドメイキングなど中腰姿勢を保持する業務の時にも活用しているという。