◯ 質問2
特に、提言の中でもBNP検査や心エコーの検診への導入を求められているが、厚労省に働きかけているという動きはあるのか。

回答:斎藤氏

日本循環器学会と日本心不全学会が1万人の大規模コホートを作成しています。その中で恐らくBNPやエコーの指標がどのように役に立つのか、科学的なデータが出てくると思いますので、そういったものを持って厚労省、それから広く国民に訴えていきたいと考えています。

回答:小川氏

その点について、1つだけコメントをさせていただきたいと思います。ANP、BNPは日本で発見された物質で、世界で最も応用されているもので、日本から世界に発信するには1番良いツールになります。これは国立循環器病センターの前研究所長の寒川先生、松尾先生が発見して世界に向けて広げていきましたが、その広げる際に貢献されたのが斎藤先生です。

◯ 質問3
4回の予防ができると言われたが、心不全のステージ図では、予防は2回になっている。

回答:小室先生

この図は、一般向けにわかりやすくするため、簡略して描いてありますので、少し詳しくお話したいと思います。

まずマイナス一次予防は高血圧、糖尿病等にならないために、生活習慣の改善が重要です。塩分の摂り過ぎに注意する、食べ過ぎて肥満にならないように気をつける、喫煙をやめる、飲み過ぎない、こうした一般的な生活習慣を良くすることが究極的な心不全の予防になります。

次に、ステージAからBになるのは、高血圧になったり、太ってしまったとしても、心筋梗塞、不整脈、弁膜症といった心臓病にならないことが大切です。血圧を下げる、糖尿病の人は糖尿病の治療をしっかりする。煙草は吸わない、過剰な飲酒はやめる。これが0次予防です。

そして、一次予防は、たとえ心臓が悪くなっても心不全を発症する人は一部です。心筋梗塞になっても、治療をしっかり受ける。これは主に投薬、場合によっては冠動脈を広げる治療を受ける。また、不整脈に対してもきちんと治療をすることによって、息が苦しくて救急車で運ばれて手術をする事態を防ぎます。

最後の二次予防は、1度入院して心不全治療を受けた人の多くは退院します。2度と救急車で運ばれないようにするにはどうしたら良いかというと、過労に注意する、薬をきちんと飲む、飲み忘れに注意する、風邪をひかない、暴飲暴食をやめる。こうしたことによって防げます。

このように、それぞれのステージ毎に予防の方法は少しずつ違いますが、常に生活習慣が第一にあり、その後は適切な薬を飲んだり、治療を受けてもらうことが不可欠です。私たち医療者はもちろんしっかりと治療を行いますが、患者さん自身が意識しなければステージが進んでしまうため、予防ができることを広く知っていただくことが重要であると考えています。

第3回終わり(第4回に続く)