原因不明の失神や不整脈の診断に有効な
小指サイズの植込み型心臓モニタ

前回、植込みに対するベネフィットをどう伝えていくかというお話を伺いました。この活動について、もう少し具体的に教えてください。

芳賀 日本ICDの会(植込み型除細動器患者会)という団体が活動されていますが、特にICDの患者さんは運転に関する問題が数多くあり、「こんなことに困っている」という患者さん自身の声が大切です。一方、私たちも共に活動させていただいている日本不整脈心電学会では、患者さんの生活を考えた上で、運転免許の適用について緩和してもらえるよう働きかけ、学会としてのステートメントを発表しています。

■資料1 「不整脈に起因する失神例の運転免許取得に関する診断書作成と適正検査施工の合同検討委員会ステートメント 改訂のための補遺・3」日本不整脈心電学会HP ステートメントより

また、私たちのように心疾患治療機器の製造・販売に携わる企業が参加している日本不整脈デバイス工業会(JADIA)を通し、日本ICDの会のような患者団体からの講演依頼の対応や、「友の会」を患者さんへご紹介するといった活動を継続し、多くの患者さんの救命やQOL改善に尽くしていきたいと考えています。

様々なトレーニングプログラムを提供
海外の新しい手技を体験型学習法で習得

では、装着に関する医療者へのサポートはどのようにされていますか。

芳賀 製品の機能や使い方に関しては、医師をはじめ、ME(Medical Engineer)やCE(Clinical Engineering Technologist)と呼ばれる臨床工学技士を対象に、事前の勉強会を開催しています。加えて、新製品の場合は、植込み当日にきちんと対応ができるのか不安を持たれることがあるため、弊社の担当者もカテーテル室に入り、安全使用・適正使用に関して医療従事者の方にコメントさせていただいています。

他にも、医療従事者向けのトレーニングプログラムを大きく分けて2つ提供しています。1つは初めてペースメーカやICDの手技を行う医師に対し、弊社トレーナーが基礎的な講義を行う前半コース。二つ目は、より高度な手技や新しい手技に関して少人数のグループで医師が指導する後半コースです。

前半のコースでは、ペースメーカの基礎や植込み手技といった学科について解説した上で、簡単なモデルを用いてハンズオン(体験型学習法)でトレーニングを行います。後半のコースでは、海外で編み出された新しい手技を、実際に海外の著名な医師の研修を受けた後に講師になっていただき、講義やハンズオンによるトレーニングを実施しています。これら2つのプログラムは年間を通して提供しており、特に土日には様々なトレーニングが行われるため、ほぼ満席の状態です。

さらに、昨年9月には川崎市の殿町にトレーニング施設としてメドトロニックイノベーションセンターを開設。同センターでは、低侵襲の外科手術や心臓・血管治療に関しての手技トレーニング、シミュレーショントレーニング、各種セミナーなどのプログラムを提供しています。