そして、もちろん最後に欠かせないのが懇親会です。所属や勤務地は違えども、介護や健康分野での貢献を目指し、目的意識の高い技術者たちは熱い想いを持った人が多く、すぐに打ち解けて熱い談義が始まります。それはとても愉快で頼もしく、パナソニックの将来は明るいと確信します。まさに、明るいナショナルです(笑)。

Aキューブ親睦会

このAキューブで活動している人材や技術は、いずれ御社に集める予定ですか。

斉藤 集めるつもりはありません。要素技術や人材を1箇所に集めてしまうと、結局それだけに取り組むことになります。パナソニックグループの中で家電や設備、システムなどの多様な商品のために開発され、培われた技術を使うからこそ、先進的な技術を安価に搭載する製品が生まれるのです。それを1つに集めてしまうと、各々が専任になってしまい、グループの価値が損なわれてしまいます。

私たちは、パナソニック創業者の松下幸之助が提唱した水道哲学(※1)を、戦後復興から高度経済成長にわたり、大量にモノを作り、販売することで体現してきました。それまでに投入した人材や資金、時間が現在の事業の礎であり、それを新たな社会課題を解決するため事業や技術に展開していくことで様々なリソースが循環するのです。そのための小さな潮流がAキューブであり、人や組織を集めることが目的ではありません。

さらにエイジフリーのDNAのようなものが社内に根付けば、今後サービスやモノを作る上でも、大きなシナジーを発揮できます。そのためにも、エイジフリーは社内へも発信を行い、刺激を与えられる組織であるべきで、国際福祉機器展などへの出展も社内外に対して発信する場の1つであると考えています。

図-1 成長戦略
介護サービス提供と商品開発の連携・シナジーで新たな価値を創出

第4回終わり(第5回に続く)

※1 水道哲学

松下電器産業(現パナソニック)創業者の松下幸之助氏が提唱した経営哲学。水道のように安価ですぐに手に入るものは、生産量や供給量が豊富であることから、商品を大量に生産・供給することで価格を下げ、水道の水のように容易に商品が手にはいる社会を目指すという考え。