団塊の世代が後期高齢者となる2025年に備えて、国は対応を急いでいる。厚生労働省は「地域包括ケアシステム」を打ち出し、国土交通省も2012年に、サービス付き高齢者向け住宅を約60万戸整備することを発表した。

 こうした流れを背景に、2014年2月に設立されたのがサービス付き高齢者向け住宅の土地オーナー開発、設計、運営を手がけているパナソニックコムハートである。

 連載第6回目は、常務取締役の森田浩一氏に、同社が展開している事業について、お話を伺った。

誤解されがちな「サービス付き高齢者向け住宅」と
知られていない「小規模多機能型居宅介護サービス」

御社が展開しているサービス付き高齢者向け住宅「エイジフリーハウス」の特長について、教えてください。

森田 最大の特長は、「小規模多機能型居宅介護」という介護サービスを併設していることです。このサービスは、一般にはほとんど知られていないのが現状ですが、実はご利用者にとっては極めて使い勝手の良い施設です。介護保険サービスとして24時間365日体制で、施設への通い(デイサービス)や短期間の宿泊(ショートステイ)、ご自宅への訪問(訪問介護)などを包括料金で対応しています。こうしたサービスをサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)に併設することで、ご入居者の方々に介護度が重くなっても安心して暮らしていただけます。

当社では、この小規模多機能型居宅介護を併設したサ高住を「エイジフリーハウス」と名付け、主に東名阪で展開していく予定です。よく誤解されるのですが、サ高住の“サービス”とは通常、安否確認と生活相談が付いているだけで、介護サービスが付いているわけではありません。あくまで高齢者賃貸住宅なのです。これに対してエイジフリーハウスでは、健康管理、生活支援から介護サービスまでを24時間365日体制で提供しています。

小規模多機能型居宅介護は、その存在自体が一般的にあまり知られていませんね。

森田 厚生労働省では地域包括ケアシステムを担う制度として、この小規模多機能型居宅介護サービスを位置付けています。ご利用者にとっては包括料金になっていることが、何よりのメリットでしょう。例えば、要介護1で同一建物に住む場合、エイジフリーハウスの居住者であれば、月額9810円(※1)で介護サービスを受けることができます。また、エイジフリーハウス近郊から利用される場合でも、要介護1で月額1万888円(※2)にとどまります。24時間365日対応ですから、ケアプランに沿って1年中たとえ早朝6時からでも受け入れますし、泊まることもできます。

※1・2
地域区分が5級地の場合の料金です。市町村によって料金が異なる場合もあります。

エイジフリーハウスは、国が推奨する地域密着型介護の拠点に指定されており、2カ月に1度の割合で自治会や包括支援センターのケアマネ、ご家族様など、地域の関係者を集めて運営推進会議を開き、地域介護を皆で考える場を持っています。