入居スペースで採用されている「ユニットケア」とは、どのようなシステムなのでしょうか。

辰巳 ご入居者の中には、話し好きの方もいれば、静かにテレビを見たり本を読んだりする時間を望まれる方もいます。できる限り趣味や嗜好の近い方同士で、日中の時間を過ごしていただくシステムがユニットケアです。1人ひとりの生活史なども伺った上で、1ユニットご8~9名の入居者で1グループを構成し、食事や趣味の時間を気の合う人と楽しんでもらう。こうした過ごし方をすることで、認知症の方も気持ちが落ち着くといわれています。また、ご入居中にADL(※1)が変化した場合は、所属ユニットの変更を検討するなど適宜対応しています。

ターミナルケアに力を入れていると伺いました。

片島 コンセプトに記されている「第三章」とは、自分らしさを大切にしながら、これまでの人生を振り返る期間を表しています。私たちとしては、ここを“終の棲家”として利用いただくために万全の体制を整えています。実際、これまでの17年間で100例以上の看取りを行ってきました。

ご入居者にとっては、ここが自宅です。住み慣れた住まいで、慣れ親しんだスタッフに見守られながら過ごしたいとおっしゃる方がほとんどです。こうした要望に応えるために、“自宅と同じように”接することをスタッフと共有しています。家族なら当たり前のようにすることを、私たちスタッフも行おうということです。例えば、自分の親が食事を摂れなくなったら、家族としてどう対応するか。そうした視点を常に意識しています。

第8回終わり(第9回に続く)

※1 ADL(Activities of Daily Living)

日常生活を営む上で、普通に行っている行為、行動を意味する。具体的には、食事や排泄、整容、移動、入浴等の基本的な行動を示す。