具体的に始まっている取り組みはありますか。

松本 弊社のように業界への新規参入企業は、施設の立ち上がりでは研修の仕組みがないため、どこまで人材を教育できるのかが課題でしたが、このタイミングで提携できたので創生事業団の施設やJLD施設を活用させてもらい、オープンに向けて人材教育の追い込みをかけています。先日行われた営業研修では、夜間業務を経験するための泊りこみ研修も行いました。

JLDが運営する施設では、ご入居者だけでなく、そのご家族が頻繁に施設にいらっしゃるのですが、その都度全員が仕事の手を止め、さっと受付に出て、ご挨拶やご入居者の近況を共有しています。ご家族も、笑顔で積極的に話しかけてくれる状況を確認するだけで、この施設が大事にしているものが伝わってきます。研修を受けたスタッフたちもそのレベルの高さに驚くと共に、とても刺激になったようです。

御社と創生会グループの両者の強みを活かし、将来的に描いている構想はありますか。

松本 現在、野村不動産ウェルネスには介護系施設ができないかも含めて、案件情報が舞い込んでいます。それを、弊社とJLD社とで一件ずつ事業化できるのか、できないのか、可能性があるなら継続して検討するといった形で定例会議を行っています。例えば、介護住宅をつくる場合は野村不動産がホルダーになり、JLD社と連携して運営にあたる。また、OUKASの中で自立と介護に複合的に取り組むのであれば、介護の部分はJLD社がグループ企業として提供できる仕組みを考え始めるなど、自立から介護まで、様々な類型で高齢者住宅を市場に送り出せると思っています。

「老人ホームは嫌でも、住宅なら行ってみたい」
時代の変化が高齢者住宅を受け入れた

「OUKAS船橋」の開設も間近ですが、前評判はいかがですか。

松本 「OUKAS 船橋」のオープンまでのスケジュールとしては、8~9月が営業期間、10月に入居開始となります。5月から船橋周辺エリアへの広告活動を開始したばかりですが、すでにお問い合わせの数は500件を超えています。魅力は、やはり立地の良さだと思います。新船橋駅から徒歩5分で、目の前には24時間営業型のイオンタウンの他、船橋総合病院などもあり、通りかかった方からのお問い合せが増えています。

高齢者住宅事業への参入の手応えは十分というところでしょうか。

松本 第一弾の物件ということもあり、このお問い合わせ数が多いのか、少ないのかの比較材料がないというのが正直なところです。ただ、分譲並みにいただいている点でいえば、手応えは感じています。それよりも、時代の変化があるのかもしれません。介護事業者の方ともよく話すのですが、ここ数年で全く様相が変わってきたと感じているようです。介護型住宅は「近所に建てるな」などと言われてきた時代を経て、最近では自治体や地域コミュニティでの受け入れが進んでいます。また、お客様自体も、「介護施設は見に行く気が起きなかったが、サービス付き高齢者向け住宅なら見に行ってみたい」といった声が出始めるなど、住宅類型の差なども含め、情報スピードが格段に速くなっているとのことです。

また、社内的な話ですが、野村不動産ウェルネスの事業判断は野村不動産ホールディングスの経営会議や取締役会を決裁機関としていたこともあり、全経営陣が高齢者住宅事業について理解を深めていることも、新事業参入にあたって、また今後の成長に向けても強い力となっています。