介護・医療連携体制の構築と
業界全体に感じていること

自立型高齢者住宅も、介護や医療、時には看取りという対応も出てくると思いますが、そのあたりの考え方を教えてください。

松本 今後、高齢者住宅業界に求められてくるのは、時代の変化を受け入れ、常に変革を続ける対応力だと思っています。高齢者住宅としてのコンセプトを定め、それに則り活動をしていくことも必要ですが、最も重要なことは、ご入居者一人ひとりの状態をしっかり認識し、その方が望むベストプランを提供し続ける努力です。例えば、サ高住は自宅と同義なので、健康自立を目指したものの介護が必要になるケースもあれば、そのまま看取りを望まれる場面も出てくるはずです。その際に、OUKASでその対応が組めるようであれば、厭わず介護事業者や医療関係者の方々と相談し、対応方針を決めていきます。

10月に開設する「OUKAS 船橋」の一階には、介護事業者の大手であるツクイの訪問介護とデイサービス事業所が入ります。また、医療連携づくりとしても、「ふなばし森のシティ」内に移転いただいた「船橋総合病院」院長の塚本先生や、イオンモール内の総合クリニック「ドクターランド船橋」の方々、在宅療養支援診療所の「ほそかわクリニック」の細川先生などにもこの「OUKAS 船橋」での協力体制を快諾いただき、医療・介護の連携を構築しつつあります。

また近々、私たちはある場所でもう一棟、別の事業を展開する予定ですが、そのすぐ近くにある創生会グループの介護住宅では、病院やクリニック等と密に連携して看取りまで行っています。その仕組みを研究し、今後、OUKAS事業には何が必要なのか、どこまで対応できるのかなど踏み込んで考えていきたいと思っています。

業界全体に感じていることがあれば教えて下さい。

高齢者事業は全てに対応しようとしても、その多様性、複雑さから網羅は困難といえます。また、何かに特化しようとしても、それが許されない奥行きを持ち合わせています。例えば、訪問介護、通所介護、介護付き有料老人ホーム、グループホーム等々、高齢者への介護サービスであることは同様でも、異業種でいえばネットショップ、百貨店、コンビニ、専門店ほどのオペレーション上の違いがあるということです。

また、奥行きという面では介護を極めようとしても、医療との間には自分たちだけで完結できない大きな壁も存在しています。

個人的な感覚ですが、自社で提供する介護サービスの幅を無理に広げ、苦しんでいる企業が多いように見えます。まずは各事業者が、自分が得意とする分野を強化した上で、不得意分野は不得意だといえる市場となること。誰にも感謝される大義ある事業です。ただ、大義を感じすぎて不得意でも無理に抱え込むと、お客様はそれを敏感に感じ取ります。業界全体がもう少しリラックスし、企業という枠を乗り越え、お客様の最大満足を追求できるようになると、業界としての信頼感が高まるのだと思います。

第4回終わり(連載4回)