循環器疾患の全国一低い死亡率を目指す
佐賀から地方のモデルケースを発信

連携における課題はありますか。

野出 循環器に関してはうまくいっていると思います。私が佐賀大学に来て、最初にしたことは佐賀県医師会長の池田秀夫先生と話をすることでした。池田先生は、医師会長として8年目ですが、日々県の医療改革を進めておられます。加えて、当時佐賀県医療センター好生館館長の樗木等先生は心臓外科医ですから、循環器内科と心臓外科の連携を図る上でも、3人で頻繁に話をし、コミュニケーションを図っていました。ちなみに、佐賀市医師会長の上村先生も久留米大学出身の循環器内科医です。

行政との連携はいかがですか。

野出 当初は行政との連携はあまりなかったのですが、現在は様々な情報を共有することができています。前述したHITHも、医師会長を介して進んでいったプロジェクトです。1県1医大、県立病院や済生会病院、日赤病院も佐賀県には1つだけで、数が少ないからこそスムーズな連携が図れます。

それから県民性も大きく影響していて、佐賀県の人はまじめですね。私たちはコレステロールやスタチン、血圧などを診てきましたが、心臓病の死亡率は減少傾向にあり、現在、全国2位か3位だったと思います。これは地道な努力が必要な予防に取り組める県民性もあるでしょうし、インターベンションを得意とする医師を連れてきて成績が良くなったことも、その理由に挙げられます。こうしたことから見ても、循環器医療の連携に関しては非常にうまくいっています。

心臓病医療、あるいは地域連携など、これから野出先生が取り組みたいと思われていることがありましたら、お聞かせください。

野出 県や経済界との連携は未だできていないところもあるので、今後の目標は、循環器病予防コンソーシアムをつくることです。そこには医療者だけでなく、行政も経済界も入って、循環器病に関わる全ての情報を共有し、連携できる組織にします。そして、まず身近な目標として、循環器疾患については全国一低い死亡率にしたいと考えています。

そこには地元のメディアにも参画してもらい、この循環器病予防コンソーシアムの活動を県内のみならず、全国に発信していくことができると良いですね。

野出 他県には産官学が参加した循環器病のコンソーシアムはないので、ぜひとも実現し、この佐賀県から地方のモデルケースを中央に発信していきたいと考えています。

第3回終わり(第4回に続く)